1084.【2】 ページ34
［智にぃside］
悩んだだろうに
俺らに相談せず
大事なこと、
決めちゃうんだから…
俺から責められるとは思ってなかったのか
下を向いたまま黙ってしまった翔。
「どうして相談しなかったの？」
翔「…」
「俺らが反対すると思った？」
翔「…」
「何とか言えるでしょ？翔？」
翔「…めん、なさい」
「そういうことじゃないでしょ？」
確かにごめんなさいは大事だけど。
謝って欲しいわけじゃない。
「誰かに相談できたの？」
一人で悩んで決めたんなら大変だった
だろうなって思ったけど…
翔はコクンと頷いた。
「そっか、なら良かった…」
翔「ん…先輩に」
「ずっと前から考えてたなら、相談してくれても
よかったのに…
でも、先輩いたなら心強かったね」
翔「…ん。」
俯いたまま声を漏らした翔は「でも…
結局、ダメだもん…ごめん」って。
和のこと気にしてんだよね。
「和も急なことだからビックリしたんだよ。
ね？雅紀。」
雅「え？あ、うん」
雅紀が心配そうな顔して張り付いてるから。笑
「和と2人で少し話してきたら？」
翔「…」
「翔に聞きたいことあるんじゃない？」
翔「…」
翔がさっき、みんなに話してくれたこと
和はしっかり聞いてたと思う。
でも、まだまだ聞き足りないこと
あるんじゃないかなって思って。
翔の決断で影響が出るのは和だからね。
でも翔は頑なに首を振る。
「真っ直ぐな和の前で話す自信がない…」って。
厳しくしない方がよかったのかな…
自信なくしちゃったみたいに俯いたままの翔。
でも、このままではいて欲しくない。
「ちゃんとさ、自分の意思で決断したこと
なんでしょ？」
翔「…」
「自信もっていいんだよ？」
どんどん小さくなっていく翔。
翔「…」
「翔！！」
思わず大きな声を出してしまって…
そしたらビクッとした翔は
近くにあったクッションを顔に押し付けて…
「わかんない…」って肩を震わせた…
雅紀もビクッとしたけど、すぐ笑顔になって
「翔にぃ、大丈夫だから…」って。
「ごめんね、翔。ビックリしたね。」
翔「…んーん、おれが、わるい…ごめん…」
雅「んーん。智にぃも翔にぃも悪くないよ！！
俺さ、和のこと見てくるから！」
雅紀が立ち上がって、俺に「ここ来て！」って
翔の隣を指差してる。
ゆっくり入れ替わって肩を抱いてやったら
「さと、にぃ…」って抱きついてきた。
消え入りそうな声で「ごめん、自信あったのに
こんなんで、ごめん…」って謝る翔。
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作者名：空
| 作成日時：2013年11月16日 0時
