983.【9】 ページ33
［翔にぃside］
今回は厳しくしようって
泣く潤を見て思ったんだ。
和も発作の苦しさより、罪悪感の方が
大きいだろうから。
そういうときはパニックも起こしにくいから
いい機会だと思って…
「言われたこと守らないから、こうやって
苦しい思いするんだよ？分かった？」
和「…っ、んっ…、…るし、い…」
「答えになってない。分かった？」
和が意地になってプイッと顔を背けたところで
智にぃと雅紀に合図。
体を軽く抑制してもらってる間に
腕に点滴の針を刺した。
俺だってちゃんと工夫してるし
考えてるんだから。笑
和「…めん、…さい…」
「ん。」
わざと素っ気なく返事したら「翔にぃ、
ごめんなさい。もう、しないから」って
手を伸ばしてくる。
「お前のもうしないは何度あるんだよ…」って
ここまで出かかったけど、何とか我慢した。笑
甘えたいみたいだけど、まず着替えさせないと
風邪ひくからね。
智にぃ達に頼んで、俺は病院に連絡した。
懲らしめる為にも、病院に連れて行こうと
思ってたけど…
「様子みて大丈夫そうなら、このまま
自宅で投薬続けます」「入院する可能性も
あるかもしれないってことで。」って
説明した俺。
なんたって俺がさ、和を手元に置いておきたい。
泣かせるのも可哀想だし、安心した寝顔が
見たいからね。
智にぃ達には「とりあえず家で様子みる」って
伝えた。
智にぃにも雅紀にもニヤニヤされてさ、
たぶん俺の気持ちはお見通しだね。笑
和「しょ、にぃ…」
まさか、こいつにもバレてんのか？
タイミングよく手をのばしてきた和を見て
ドキッとする。笑
ほんとは嬉しいんだけどね、「ほら、髪の毛
乾かしてやるから」って仕方ない感を
かもし出す。
和が素直じゃないとこは、俺に似たか？笑
和「…もち、いい…」
「ん、良かったな…」
和「しょ、にぃ…？」
「分かったから、あんま喋んな。」
まだ苦しいくせに「ごめんなさい」って
謝ってくる。
色んなこと我慢した反動で歯止めが
きかなかったんだろうね。
苦しい思いして、潤のことも泣かせて
きっと今は反省してる。
まぁ、そこは大いに反省して頂きましょう。笑
その代わり、たっぷり甘えさせてやる。
そう思ってギュッと抱き寄せる。
マスクを曇らせながら浅い呼吸をして
苦しそうだけど「ふふ…」って
懐っこく笑った和。
かわいーな…笑
口が裂けても言えないけどね。
文化祭といい、お風呂の発作事件といい
時が経てば思い出話になるかね。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年10月23日 6時
