977.【3】 ページ27
［翔にぃside］
「いい加減に
しなよ？」
和「…るさい！ばか！」
「限度があんだろ？」
エコーを拒否して大暴れ…笑
もう少しで何十万もする病院の器械、
壊されるところだった。
「次、暴れたら薬で寝かすからな？」
さすがにキレますよ…笑
和「…」
目を潤ませた和は、智にぃを見つめてる。
智「ん？叱られちゃったね〜。笑
大人しく寝てよっか。ね？」
茶化してくれる智にぃに感謝だね…
和はギュッと瞑った目からポロリと涙を
零して、そのまま大人しくなった。
幸いなことにエコー検査も異常なし。
突発性の発作だったから心配だったけど
今のところは心電図に乱れもないし
経過観察でいけそうかな。
病室に戻ってから、それを話したら
喜んでくれる智にぃと、無反応の和。笑
「かーずくん？聞いてる？笑」
「もう怒ってないよ」って意味も込めて
ふざけて頭をクシャクシャってしたつもりが
ポロポロと泣かれてしまった…
智「安心したんだよね〜、よしよし…」
智にぃが隣に潜り込んで抱き寄せてくれて。
和「…んでっ？」
「ん？」
和は智にぃの胸に顔を押し付けたまま
「なんでこうなるの…」「俺、行きたい…」
ってポロポロ泣いて…
「そうだよな…」
こんな言葉しか掛けてやれない自分が
情けない。
文化祭は来年もある。
でも、今のクラスメイトと、このTシャツを着て、焼きそばパンを売れるのは今年だけ。
そう思ったら何て言葉を掛けてやったら
良いのか分からなくて…
代わってやりたい…
何で？何で和なの？
［雅にぃside］
仕事をちょっとだけ早めに上がらせてもらって
潤を迎えに行ってそのまま病院。
病室に入ったら、何だか空気が重くて苦しい…
潤「…っぱり、文化祭、ダメなの？」
潤の言葉に振り返った翔にぃは目が真っ赤。
黙って頷いた。
そうだよね…
決断を下す、翔にぃだって辛いんだもんね。
翔「…ず、かず…ごめん、ね…」
泣くのを我慢して、絞り出した声…
和は布団の中で泣きながら「翔にぃの
せいじゃない」って何度も繰り返してる。
智「かず？分かったから…
ありがとうね。ありがとう…。」
智にぃが背中をさすって和を止めて
抱きしめてあげた。
こればっかりはね、俺らがどうこう言ったって
結局は和自身が、納得して受けとめるしか
ないから。
辛いだろうと思う。
でも、和ならできるって俺らは信じてる。
体を大事にすることを覚え始めた和なら
きっと乗り越えてくれる…
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作者名：空
| 作成日時：2013年10月23日 6時
