969.【5】家出 ページ19
［翔にぃside］
3人で焼きそばを食べて
和を買い物に誘って
みたんだけど「いい」って
言われちゃった。
あんまり塞ぎ込んで欲しくないんだけど、
和の気持ちを尊重してやりたいし
少しそっとしておくことにした。
和「あらし〜、部屋であそぼ…？」
「ウォンッ！」
ニコッと笑って、あらしを抱き上げた和は
部屋に入っていく。
まぁ、ご飯食べながらも笑顔だったし
大丈夫かなって思ってたのが正直なところ。
俺と智にぃも各々の時間を過ごして
気付いたら夕方で。
そっと部屋を覗いた俺らは驚いた…
和のベッドにポツリと置き去りにされた
あらしが「クゥーン…」って鳴いてる。
智「…どこいった？」
「いや、全然気が付かなかった…」
机の上には殴り書きされたメモが1枚。
飛ばされない様にか携帯でおさえられてて。
『いたいの いやだから でていく』
これだけ書かれてた。
小学生じゃないんだから、漢字くらい
使えってんだよ…
智「どうする？携帯も置いてっちゃってるし」
智にぃは、あらしを抱き上げながら「ご主人様は
どこに行ったんだろうね〜」って。
まさか、このタイミングで家出されるとはね…
やっぱり元気な時の和には監視が必要だ。笑
とりあえず、すぐに智にぃが車で近場を
探しに行ってくれて。
でも、河原にも海にも公園にもいなくて…
「何か知らない？」
帰宅した潤にも聞いてみたけど
黙って首を振る。
連絡とれないまま夜になってしまうのは
避けたい。
体調は問題ないとはいえ、夜は冷えるし
放っておくわけにはいかないから。
智にぃと「警察に連絡することも考えよう」
って話していたら、潤が「一つだけ、
心当たりある」って言い出して。
仲間とのヒミツの場所らしいんだけど…
「車で行くから案内して」って言っても
「無理」って答えしか返ってこなくて。
「潤？状況分かってんだろ？」
潤「…ん。でも、約束だもん。教えられない」
「潤？」
潤「無理」
この一点張り…
「お前なぁ、いい加減にしろよ？」
ついついムキになってしまって
頭をバシンと叩いてしまう俺。
智「…！ちょっと、翔？そんなことしたって
潤は教えてくれないよ？」
智にぃに叱られちゃった。笑
智にぃは俯いたままの潤の傍にしゃがんで
「暗くなる前に見てきてくれる？」って
交渉する。
潤「…、俺だけで…？」
智「うん、それなら秘密を守ったことに
やるよね？」
潤「…ん」
智「その代わり見つけたら
すぐに連絡して？」
潤「…ん」
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作者名：空
| 作成日時：2013年10月23日 6時
