910.【命日】 ページ10
［智にぃside］
今日は両親の命日。
これから5人で墓参り。
翔「じゅーん？いい加減起きろって！！
置いてくよー？」
ふふ…いつかの墓参りの時と同じだ。笑
潤「…ん、ねみー…」
潤は翔に引っ張られながらリビングにきて
バフッとソファーに倒れ込んだ。
よっぽど無理矢理に連れてこられたんだね。笑
翔「さっさと顔洗ってこい！！」
潤「っ、いてっ…暴力兄貴」
潤は頭を小突かれて、不貞腐れながら
洗面所に向かう。
和「ねぇ、あらしもいいでしょー？」
雅「あひゃ！初めてだね。あらしが
お墓に行くの」
和「うん。お行儀良くしてろよ？」
「ウォンッ！！」
和は早くから雅紀とあらしの散歩に行き、
朝ごはんも食べて準備OKなのに…
翔「じゅん？何食べるー？」
潤「ん…ねみー…パン…」
ほんと対照的で笑っちゃう。
だけど、お墓へ向かう階段までくれば
「じゃんけん、ぽんっ！！」って
お決まりの光景。
この後姿を見るのが、ささやかな楽しみ
だったりするんだよね…
雅「よし、掃除するぞ！！」
翔「あれ？あいつらは？」
「ふふっ、さっきから走り回ってるよ。笑」
和と潤とあらしは、お墓の周りを散策中。
きゃっきゃ走りながら、楽しいんだろうね。
翔「ほうき借りてきて〜？」
和「おっけ〜！あらしいってこい！！」
「ウォンッ！」
潤「あはは！」
翔「いやいや…。おかしいだろ…笑」
ワチャワチャしながらも、ほうきを持ってきた
和と潤は、今度は真剣に掃除を始める。
「掃除しながら遊ぶな」っていうのは
昔からの約束だもんね。
和「あ、あらしが足跡つけた！」
翔「はは！しょーがねーな、もう…笑」
和「あらしー？後で挨拶して
許してもらおうね。」
和はすっかり、お兄ちゃん気分。
笑っちゃう。
たぶん両親も微笑ましく見ててくれてる
だろう。
潤「花長いから、ハサミ借りてくる！」
和「あ！俺も行くっ！」
「ウォンッ！」
潤といると相変わらず弟みたいだけど…笑
お墓の掃除を終えて、花を供え
5人で手を合わせる。
あ、5人と1匹で。笑
和があらしの手を包み込んで
一緒に合わせてるからね。
和「あらし、挨拶は？」
「ウォンッ！ウォンッ！」
和は「ふふ…」って笑って頭を撫でた後で
「あらしはね、俺と潤が拾ってきたの。
にぃ達が飼ってもいいって言ってくれた」
ってさ。
和「にぃ達ね、優しいよ？」
潤「うん…お父さんとお母さんみたいだよ？」
和潤「ずっと見守ってね…」
智翔雅「…」
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月28日 14時
