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［翔にぃside］
それから数日が
過ぎても、
和は学校に通えずにいる。
智「かず？無理しないでいいよ？」
潤「そうだよ。また次でもいいから。な？」
明日はテストがあるらしく、和は「いく」って
言って用意をしに立ち上がったんだけど…
和「…るし、い、…る、…い…」
「明日、学校に行く」そう考えただけで
かなりのダメージがあるみたい。
ラグの上で俯いて苦しそうな呼吸を繰り返す…
「ゆっくりね…、すぐ、よくなるから…」
背中をゆっくりさすりながら呼吸を整える。
焦れば焦るほど悪循環だからね…
「いいこ…。じょうずだね…」
ゆったりした気持ちで声を掛けて
なるべく落ち着かせてやる。
こんなことになった翌朝は決まって…
和「がっ…う、いきた、かった…」
玄関まできてポロポロ泣いて、
また過呼吸を起こすんだ…
でも、だからと言って学校に行けるわけでは
なくて。
俺らが学校の前まで送っても、車から降りる
前に気持ちが悪くなって吐いてしまう…
気持ちも心も体も、全部バラバラなんだなって
和を見てると、よく分かる。
智「かず…？ゆっくりでいいんだから。ね？」
和「…っ、んっ、…も、…きたい…」
智「そうだね。また挑戦しようね…」
行きたい気持ちはあるから、なかなか心の
整理ができない。
でも、そんな時に決まって役立つのが
お昼休みにかかってくる潤と友達からの電話。
潤「お昼食べたー？」
和「ふふ…まだ」
友「俺らも、これからー」
友「屋上にいるよ！！」
和「おれも、これから食べる」
潤「じゃあ、一緒に食うか」
そう言って笑い合う。
なんかね、電話じゃないみたいに自然なの。
すごいよね、友達のパワーってさ。
そんなこんなで数日後…
友「お邪魔しまーす！！」
仲良しメンバーが家に遊びにきた。
っていっても、野球やりたいらしくって
すぐに和を連れて飛び出していったけどね。
すっかり日が沈んで暗くなった頃、
ドロドロになって帰ってきた双子。
和は久しぶりに、すっごい良い顔で
笑ってて。
潤の話によると、友達が「和が居ないと
昼休みの野球がつまんねー」って言ったのに
対して「明日は行くから！」って
笑ったらしい。
智「また無理してんじゃないかな…」
雅「あひゃ。でもさ、寝顔がいつもより
ラクそうじゃない？」
「確かに〜。笑」
そんな俺らの勝手な心配と会話をよそに
和は翌日「いってきまーす！」って
元気に出掛けていった。
きっかけを作ってくれた友達に感謝だね…
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月28日 14時
