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［雅にぃside］
和「雅にぃ、休み？
やったぁ！」
登校を渋り始めて4日。
今日は俺が仕事休みって知って無邪気に
喜んでる。
家ではすっかり元気だけど
まだまだ気持ちの整理ができてない…
その証拠に…
翔「雅紀とさ、学校まで行ってみたら？」
智「そうだね。午前中だけでも行ってみたら？
無理だったら戻ってくればいいし」
そう提案されれば途端に不安顔。
智にぃも翔にぃも「ごめん。焦ること
ないもんね」って急いでフォローしたけど。
和は「…ってみる…」って呟いて
着替えに行った。
今から行っても遅刻だし、かえって不安
なんじゃないかっても思ったけど。
和「…らしも、いっしょに、いこ…？」
着替えを終えた和は、リードを付けながら呟く。
散歩がてら行ってみるのもいいかなって。
智「プラプラしてくるだけでも
いいんだからね？」
翔「無理すんなよ？」
智にぃと翔にぃに見送られ、俺らは家を出た。
それでもやっぱり気が進まないんだろう…
歩くペースはいつもに増してゆっくりで。
何かと立ち止まって寄り道して。
それでも、俺とあらしに向けられる笑顔に
嘘はないから。
逆に、俺の心はギューッと苦しくなる…
何とか足を進めてきた和だけど
学校が視界に入るようになってから
表情も固くなって笑わない。
「かず？無理しなくていいよ？
今日はここまでにしとく？」
和「…ん。…ける、いく…」
無理矢理に止めるのも、あれかなと思って
数歩後ろを歩きながら見守ってたけど…
校門の前まで来た時に、ついに和の体が
グラッと傾いて、地面にペタンと
座り込んでしまった。
「…！かず！大丈夫？」
和「…うっ、おぇ…、…く、はく…」
慌てて駆け寄って袋を口元に当てる。
「我慢しないで出しちゃいな？
ラクになるからね。」
背中を少し叩いて刺激して吐かせてやる。
すぐ近くの自販で水を買って口をゆすがせて。
「少しでいいから、飲んで？」
スポーツドリンクを口元に近づけるけど
嫌がって首を振って逃げてしまって…
「じゃあ、りんごジュース買ってやろうか？」
そういう問題じゃないのは知ってたけど、
何とか気を紛らわしてやりたくて。
和「…ュース、いらないか、ら
ここ、…て？」
自販の横のベンチに力なく座っていた和は
コテンと頭を預けてきた。
こうなるまで無理しなくていいのに…
行きたい気持ちはあっても、自分を守る為に
拒否反応が働いてるんだよね。
俺は落ち着くまで黙って見守ることにした。
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月28日 14時
