941.【4】 ページ41
［智にぃside］
翔が寝てる間に
潤がポツリと呟いたんだ。
「たくさん、心配してくれてるの分かる」
って。
その目がね、大好きなお兄ちゃんを見つめる
いつもの目だったから大丈夫だって確信した。
「ほら、潤。他の先生が担当医になって
いいんだっけ？」
翔が近付いてきたら、不安そうに瞳を
揺らしてた潤だけど、俺の問い掛けに
はっきりと首を振る。
「なんて言うの？」
潤「…」
勇気なくなっちゃったかな？笑
ゆっくり背中をさすって「ほら」って
促したらパクパク口を動かした潤。
潤「…め…、…さ…」
「ふふ…それじゃ聞こえないよ？笑」
からかったら、肩にコテンッて
頭をのせてくる。
甘えんぼさんだなぁ。
潤「…めんな、さい」
翔から顔を隠したままだけど
今度は聞こえるくらいの声で呟いた潤。
翔「…え？」
ふふ…
翔はいきなり謝られて戸惑ってる。笑
潤はギュッて顔を押し付けてくるし
翔もポカーンとしてるし。
しょうがないから俺がフォローした。
潤と話したことと、翔の気持ちをね、代弁。笑
2人ともコクコク頷きながら静かに聞いてて。
「じゃあ、仲直りの握手は？笑」
翔「もう…からかうのやめてよ…笑」
俺が幼稚園児みたいな仲直りの仕方を
提案したから恥ずかしいのかな。
それでも「ごめんな？」って真っ直ぐに
手を差し出した翔。
「ほら、潤の手は？ギュッてして
いいんだよ？」
戸惑ってる潤の背中をトントン叩いて促したら
ヒョコッと手をのばした潤。
「ほら、あーくーしゅ！！」
翔「ふふ…」
小さく笑って潤の頭を撫でる翔は
優しいお兄ちゃんの顔。
潤も嬉しそうに目を細めて甘えてる。
さて、一件落着かな？笑
そう思ったんだけどね…潤の甘えんぼさんは
健在。
退行からも、すぐには抜け出せなくて。
潤「…ずっ、かず、は…？」
夜になったら和を求めてポロポロ泣き出す。
翔「あれ？また泣いてる。笑」
潤「かずっ、…ない、いな、い…」
翔「お家だよ〜。ってさっき
言わなかったっけ？」
潤は「知らない、もん…」って泣いて
翔にしがみ付いてる。
まだまだ熱が高いからさ、少し泣くだけで
汗ビッショリになるし呼吸も辛そうで…
今日は昼間もいっぱい泣いたし
そろそろ寝かせてやらないとね。
翔も同じことを思ってるんだろう。
翔「今日だけ特別な〜？」
潤の隣に寝転んで落ち着かせながら
酸素マスクに手をのばす。
潤「っ、ない…、これ、やっ…ない」
今日の潤は手強そうだ…笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月28日 14時
