905.【不明の体調悪化】 ページ5
［潤side］
翔「智にぃ、
やっぱ駄目だ…」
和の部屋から出てきた翔にぃは
「病院連れてく」って…
点滴もしてるのに、まったく元気に
ならない和。
むしろ、食欲もなくなって熱も下がらず
かなり辛そうで…
翔「入院になるから。学校終わったら
智にぃに迎えに行ってもらうから。な？」
きっと今の俺は泣きそうな顔してる。
翔にぃは優しく笑って「大丈夫」って
頭を撫でてくれた。
智「入院なら、着替えとか準備しちゃうね。」
「…じゃあ、俺も手伝う」
今朝は和が遠くに行っちゃう夢で目覚めた俺。
とても二度寝する気にはなれなかったから
まだ時間が沢山ある。
だからせめて、手伝いたい…
しばらくは出来ないだろうけど
和が好きなゲームとか本を鞄につめる。
智「会ってから学校いく？」
「…うん」
準備が終わって、俺はグッタリした和に会って
それから学校に向かう。
かなり弱ってるけど「…ってらっしゃい」って
笑い掛けてくれたから。
病院で検査して、ピッタリの薬を使って
もらえれば元気になる気がして…
もしかして「遅いよ〜」って
言ってくれたりして。
そんな淡い期待を抱いて
病室のドアを開けたら…
鼻にチューブを通され、モニターもつけられ…
苦痛で涙を流してる和がいた。
翔「あ、潤。ちょっとね、胸が苦しいみたい。
こっちきて声掛けてやって？」
想像してたのと真逆の状態…
智にぃがそっと支えてくれて
和のところへ。
「…ず。かず？…来たよ」
和「…ゅん」
少しのばされた手を握ったら
ほんとに小さくだけど笑った和。
翔「よかったね〜、かず。
苦しいのもすぐなくなるからな〜」
翔にぃは「さっきまで呼び掛けても反応
なかったんだよ？やっぱり、潤は特別だな」
って。
こんな時でもさ、役に立てるのが嬉しい。
それをさりげなく教えてくれる翔にぃに
感謝しなくちゃね。
俺が落ち込んでる暇なんてないんだから…
しばらく和を任されてベッドサイドで
勉強しながら和の様子をみてた。
さっきやっと苦痛から解放されたのに
何だかまた苦しいのか、痛いのか…
しきりに体を動かして「…んっ」って。
「どっか痛い？翔にぃ呼ぶ？」
和「…ん、て…」
「ん？点滴？」
慌てて布団を捲ったら、漏れてしまってる
点滴。
手が腫れて、かなり痛そうだ…
翔「…あ〜、これは痛かったね…」
すぐに翔にぃがきて手当てしてくれて
智にぃがそっと腕をさすってくれてる。
翔「かず？ちょっとだけ我慢してな…」
和「…んーん」
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月28日 14時
