938.【潤の壊れた心…】 ページ38
［翔にぃside］
潤「…だ、やだっ…
しょ、にぃ、こわい…」
病院のベッドに寝せられた潤は
診察をしようとする俺を全力で拒否。
こうなったのは俺のせい。
夜中に救急に運び込まれた潤の体温は
40℃を超えていて。
肺炎も併発してた。
こんなになるまで我慢して…
気付けなかった自分への怒りもある。
気が付いたら俺は、高熱の潤の胸元を掴んで
「いい加減にしろっ！」って怒鳴ってた。
すぐに智にぃに引き剥がされて「お前が
いい加減にしろっ！」って思いっきり
怒鳴られた。
それでハッとしたけど、もちろんもう手遅れ…
不安定な精神状態の中にいた潤にとって
俺の一言の影響は大き過ぎて…
潤は俺を避けることで自分を守ってる。
潤「…ょにぃ、あっち…って…」
「お腹の音だけ聴かせて？」
潤「んーん…、や…、…ない、しない…」
「何か様子おかしくない？」って気づいた
時には、もう退行の症状も出始めていて。
カ「また無理しちゃったのかな〜、
和くんのこと心配だったね。」
カウンセラーがそう声を掛けたら
潤は大泣きを始める。
ただでさえ、ギリギリの精神状態のところで
俺に思いっきり怒鳴って叱られて…
潤の心はパンクしちゃったみたい。
せっかくギリギリのところで保ってたのに
俺が潤の心を壊しちゃったんだね。
カ「特別なことなんて、なにもしなくて
いいから。ただ傍にいて安心させてあげて？」
智翔「…はい」
泣き疲れて眠った潤。
「智にぃ、ごめん。ごめんなさい…」
智にぃは眉毛を下げて困った様に笑いながら
「ちょっとタイミングが悪かっただけ。すぐに
戻れるから大丈夫。後で俺から、翔は潤の
こと大事だってこと、話しておくから」って。
翔「ん…、…りがと。そんなハッキリ
言われると、恥ずかしいけど。笑」
そんなことを笑いながら話してた俺らだけど、
目を覚ました潤が俺を恐がって
避けるの見ると、心が痛む…
潤「…だ、しょ、にぃ、こわい…」
翔「ごめんな？」
潤「…だっ、…めんな、さい…。
いい、こ…するから、…ごめんな、さい。」
俺が病室にいるってだけで泣き出して、
近付こうとすれば後ずさって謝ってくる。
「恐い」「嫌だ」って繰り返して
後ろにいた智にぃに縋り付いて震えて…
潤「…わい、しょ、にぃ、こわい…」
本心じゃないって分かってるし、
自分の責任だけど。
それでもやっぱり胸がギューッと苦しいよ…
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月28日 14時
