922.【3】 ページ22
［智にぃside］
当直明けの
翔に連れられて
帰宅した雅紀。
何かに怯えたような、そんな感じ。
小さな音にもビクッと反応するし
様子がおかしい…
翔「ねぇ、まさき…？」
ソファーに座って俺に寄りかかった雅紀の
正面に座った翔。
膝に手を置いて顔を覗き込む。
翔「前にもさ、何か恐い思いした？」
雅紀はすぐに翔から目を逸らして、
俺の手をギュッと掴んでくる。
「どう？翔の言ってる事わかる？」
2人で攻めたのがいけなかったのか、
雅紀は首を振りながらポロポロ泣き出して
両手で耳を塞いでしまった。
「ごめん、ごめん。いいよ、話さなくて。」
雅「…っ、ん…、…んも、なかっ…」
「そうだね、ごめんね…」
震える体をギュッと抱きしめる。
こんなに怯えるんだから
何もなかったはずがない。
でも、追求したからって話してくれるわけでは
ないから…
翔と合図しあって、これ以上は
やめておく事にした。
しばらくは俺の腕の中で、大人しくしていた
雅紀だけど、段々ソワソワして落ち着かなく
なってきた。
「ん？どした？」
雅「…んー」
「ん？」
雅「…イレ」
どうやらトイレに行きたいらしい。
「連れてってやろうか？」
雅「…んーん、…わい。」
「こわい」ってハッキリと口を動かした雅紀。
密室だから恐いのかな…
「一緒に居てやるから。おいで？」
手を引いてトイレに連れていく…
トイレのドアを全開にさせて
「おさえてて…？」って何度も確認してくる。
「閉まらないから大丈夫だよ。
ちゃんと、ここにいるから。ね？」
さすがに見るのは抵抗あるから
ちょっと後ろを向きながらドアをおさえる。笑
そんなこんなでトイレ、お風呂、自室。
密室になる場所すべてを恐がる雅紀。
リビングにも誰かがいないと駄目…
こんな状態だと、和と潤にも色々と協力
してもらわないといけないから。
雅紀の許可をもらって、双子が帰宅してから
今日の出来事を説明した。
和は自分が抱えてるものもあるからなのか
驚くこともなく「おっけ〜」って
笑ってくれた。
翔「俺、明日休みだからいいよ。ここでも」
リビングに居たいと言い張る雅紀。
翔が布団を敷いてくれて少し強引に寝せる。
雅「…んき、…さないで…？」
暗闇を恐がる子どもみたいに「朝まで
消さないでね？」って何度も。
翔「絶対消さないから。な？」
雅「…ん。ねても、…さない、で…？」
翔「うん、約束な？」
雅「…ん」
やっと目を瞑って眠ってくれた。
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月28日 14時
