916.【3】 ページ16
［潤side］
雅にぃが
出て行ってしまった家。
みんながいなくてシーンとして…
我が家じゃないみたいだ。
「翔にぃ、飲める…？」
翔「…ん、…りがと。」
翔にぃもグッタリして辛そうで…
熱くなったタオルを替えたり、
汗を拭いたり。
俺に出来ることなんて、たかが知れてるけど…
それでも、いつも看病してもらってるからさ
出来ることはしたくて。
ホームページ見ながら、お粥も作ってみた。
翔「…まい。うまいよ、じゅん…」
「…よかった。」
翔「…めんな、心配かけて…」
「んーん…」
そんな泣きそうな顔して謝らないでよ…
元気になってくれるでしょ？
どこもいかないでしょ…？
翔「…んなんで、よければ、くる…？笑」
翔にぃは「風邪、移るかもな。笑」って
言いながら布団をちょこっと捲ってくれた。
潜り込んで肩に顔を押し付けたら
「…いたいよ〜。笑」って怒られちゃった。笑
だってさ、嬉しいんだもん。
「寝てね？」
翔「…ん。…りがとな。」
翔にぃが仕事で疲れているのは
見ていれば俺でも分かる。
「たまには、ゆっくりしてね…？」
俺はギュッと抱きついた後、ベッドを
抜け出してタオルを替えて冷えピタを貼った。
雅にぃに「お前が徹夜して看病したら
翔にぃが心配するから。
夜はちゃんと寝ろよ？」って言われたから。
ちょっと心配だったけど、
自分の部屋で眠ることにした。
朝が苦手な俺だけど、こういうときは特別。
早起きして、お粥を作って翔にぃのとこへ。
「食べれる…？」
翔「…ん、…らう、…りがとな。」
昨日より、だいぶラクそうな翔にぃは
優しく笑って、お椀を受け取ってくれた。
翔「たべた？」
「んーん、俺はこれから。パンでも焼くから」
翔「そっか。」
翔にぃは「うまい、うまい」って、沢山
食べてくれて。
熱も、ほぼ平熱に下がってる。
「今日はベッドの上にいてね？」
翔「…はーい。笑」
「パソコンの仕事も禁止ね？」
翔「え？…はーい。笑」
雅にぃと約束してるからね。
「熱が下がっても大人しくさせておいて」
って。笑
翔「ねぇ、潤？部屋に行ってもいいよ？
大人しくしてるから。笑」
監視がてら翔にぃの部屋で勉強してたら
ソワソワし出す。
仕事も溜まってるんだろうなー。ってのは
分かるけどね…
「駄目。雅にぃに叱られるから」
翔「はは。じゃあ、見てよ〜と！笑」
翔にぃは俺が勉強してるのを
じっと見つめてくる。
恥ずかしいけど、何か嬉しくて…
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月28日 14時
