5人で生きてゆく…part19 (ページ15)

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［雅にぃside］

夜になって
智にぃからメール。

「一人じゃ手に負えないから
手伝って。」って。

家には翔にぃと潤だけになるわけだから、
それでもヘルプを頼むなら余程のこと。

そう思って、潤にパパッと翔にぃの事を
説明して託して、急いで病院に向かった。

智「ほら、雅紀きた。ね？」

和「…ょ、にぃは？…く、いく…」

病室に入ってすぐに見える光景は
和がいつもと違うことを意味してる…

ベッドから降りて、床に座って
智にぃの手から逃れようと、もがいてる。

智「先生がね、俺一人じゃ見きれなくて
無理だから、拘束して寝かすって…」

智にぃはそう言って悔しそうに唇を噛んだ。

そうなるのが可哀想だから
俺を呼んだんだね。

確かに二人体制なら、順番こに寝たり
できるもんね。

「かずー？きたよ？」

そっと触れれば、その手を痛いくらいに
ギュッと掴んでくる…

「翔にぃはね、ちゃんと寝れてるよ？
潤がね看てくれてるの。ね？」

智「かず？寝なくてもいいからさ、
ベッド行こうか。ここじゃ冷えちゃう…」

和「…んーん、…く、…えに、…く」

思ったよりも受け答えもしっかりしてるし、
大丈夫そうだね。

ただ、受け入れ難い状況に
頭がパンクしちゃってるみたいだけど…

先「あ、雅紀くん来てくれたなら大丈夫だね。
智くんまで倒れたら大変だからって思ったけど
これなら薬使わなくも平気かな。」

先生はニコッと笑って「その代わり、
順番でちゃんと休むこと。」って俺らに
約束させて、ドアの前に和用のマットレスを
敷いて出ていった。

和「…ょ、にぃ…ない…？」

智「うん、今ね、お家だから」

和「…れも、…えが、いい…」

和はそう言ってドアの前まで這っていって
開けようとする。

智「ずっとね、これの繰り返し。
でもマットレス敷いてくれたから、
疲れたらこのまま寝てくれるかもね。」

智にぃはフニャッと笑って「先生は
優しいな～？」って和の頭を撫でてる。

それから2.3時間置きに交代で
睡眠をとった俺ら。

和はやっぱり寝てはくれなくて…

まぁ、昼間にぐっすり寝てたから
無理もないけど。笑

でも、副作用で眠くなるものも入ってるから
眠れないのは心が休まってないからで…

智「起きたらさ、潤に電話してみようか。」

和「…ん」

「そうだね、そうしよう。」

和「…ん。…した…れも、かえる…」

俺らとの格闘の末
和が寝付いたのは朝食の時間の少し前…

マットレスの上で智にぃに抱えられて
静かに寝息をたて始めた。