890.【4】 ページ40
［智にぃside］
和「…ゅん、は？」
「ん〜？
フットサルいったよ？」
熱に魘されながらも不安そうに
見上げてくる和。
きっと言い合いが聞こえてきてたんだろう…
「ごめんね、うるさかったね…」
和「んーん、へいき…」
和はどこか寂しそうにポツリと呟いて
また目を閉じた。
昨日の夜から頭痛が酷いみたいで、あんまり
ゆっくり眠れていない。
しばらく頭を撫で続けて、何とか寝かすことに
成功した。
少しでいいから、ゆっくり休んで欲しい…
和の辛そうな顔を見るのが辛くて
「早く助けて」って。
気が付いたら、そればっかりが
頭の中を支配してたんだ…
雅「みて？中華丼にしようと思って。」
お昼近くになって昼食の準備を始めた雅紀。
「食べねー」って吐き捨てていった潤の分も
ちゃんと用意している。
和の分もお粥と混ぜてあって。
あいつら、雅紀の中華丼、大好物だからね。
「きっと喜ぶね」って俺らは笑い合ったんだ。
でも、潤は昼過ぎになっても帰って来ることは
なかった。
雅「食べねーって言ってたもんね。
あひゃ…張り切ってバカみたい。」
雅紀は潤の中華丼にラップして冷蔵庫に。
潤からは夕食前になっても何の連絡もなくて
携帯も電源が切られてる。
結局、先に帰宅したのは翔の方で…
翔「まだ帰ってねーの？」
若干イラついた様子の翔が「ちょっと
見てくる」ってリビングを出ようとしたら
「ただいま…」って潤が帰宅。
もちろん俺らはリビングに連行したんだけど、
潤は俯いたまま何も話そうとしなくて。
翔「お前さ、口ついてねーの？」
ついに翔がキレた…
翔は「何とか言えって。そうやって
黙り込んむのは卑怯なんだよ！
分かってんだろ？」って迫る。
翔「連絡するの忘れた。ってさ、何回同じ
言い訳してんの？俺らのこと
バカにしてんの？何とか言えよ！」
潤「…にき、達だって、…すれ、るじゃん…」
翔に胸をドンッと小突かれた潤は
俯いたままボソッと呟いた。
翔「は？聞こえねーよ！」
潤は顔を上げて、キッと翔を睨みながら
「兄貴たちだって、忘れることあんだろ！！」
って叫んだ。
翔「何のこと？」
潤「もういいよ…分かんないならいい！」
「潤！待って？」
潤「触んな！」
俺に掴まれた手を振り払って
リビングを出ていった潤。
潤が言った「兄貴たちだって、
忘れることあんだろ！！」って言葉が頭の中で
リピートされる。
あんな剣幕で俺らに怒鳴るのは
初めてだったから…
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月6日 7時
