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［翔にぃside］
和は「苦しいから嫌」
「やるの恐い」って
ポロポロ泣いて、縋ってくる。
どんなに駄々を捏ねられても
とても叱る気になんてなれなくて…
「これだけしたら、おしまい。な？」
「もう苦しいのないから、信じて？」
時間の許す限り、説得を続ける。
和「…ねむい…」
「うん、疲れちゃったね…」
苦しい思いするばっかりで全然休めてないから
体力はもう限界を超えてる…
ウトウトし始めた和に「ゴックンして
寝よっか…？」って声を掛けてみる。
和は「…すぐ？」って不安そうに聞いてきて、
俺が頷いたら「やる…」って言ってくれた。
雅紀に和を託して、先生と準備する。
1回で終わらせてやりたいから
カメラのモニターに集中する。
和は少し渋りながらも、ゼリーを口に含んで
ゴクンと飲み込んでくれた。
りんごジュースを飲まされた時みたいに
むせることなく、正しく嚥下出来ているのが
分かる。
和もホッとしたのか、雅紀にくたっと
寄りかかったまま目を閉じて
すぐにでも寝てしまいそうだ…
先生は声を掛けながら、そっとカメラを
抜いてくれた。
雅紀が「今日は俺が一緒に寝るから」って
和を病室に連れて行ってくれて…
「翔にぃは明日仕事なんだから
少し休んだ方がいいよ」ってさ。
だから俺は先生と少し話した後、
和の様子をちらっと見て
仮眠室にいかせてもらった。
［雅にぃside］
和「…うち、かえり、たい…」
「もう夜中だからさ、明日ね？」
病室に移動させたらポロポロ泣き出して
落ち着かなくなってしまった和。
ちょっと強引にベッドに寝せて
俺も隣に寝転んだ。
和「…ま、いまが、いい…」
「翔にぃの車しかないもん。明日、智にぃに
迎えに来てもらおう？」
和「…や、…ゅういん、やだ…」
「かず？入院じゃないよ。
遅くなっちゃったから今日だけお泊まり。」
「家に帰れる」って言われても、実際に
帰れるまで不安で仕方ないんだろうね…
気持ちは分かるけど、頑張って寝せないと。笑
「かず？一緒に寝よう？俺もさ、疲れたから」
わざとらしく「ふぅ〜」って大きくため息を
つく。
和は気遣い屋さんだから、自分のことより
俺のことを心配してくれるはず。
あんまり良くない方法だけど、
俺にはこれくらいしか思いつかない。笑
和は「まさにぃ、眠いの…？」って聞いてきて
俺が「少し寝たい」ってお願いしたら、
「いいよ…？」ってさ。
寄り添って寝てあげるからさ、
許してね？笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月6日 7時
