866.【甘えん坊】 ページ16
［雅にぃside］
高熱が続いている和。
少しずつ情緒が
不安定になって、今はすっかり
甘えん坊さんに。笑
翔「かず？手は横だろ？
お腹の音聴かせてくれないと困るんだけど…」
和「…ふふ、ん〜…」
苦笑いの翔にぃに構わず、
和は翔にぃの手を捕まえて握る。
診察が嫌なんじゃなくてね、甘えてんの。
可愛いでしょ？笑
智「ずっと待ってたんだもんね？」
和「ふふ…ん…」
和の気持ちをフォローして「まずさ、
甘えさせてやって？」って智にぃが呟く。
翔にぃは「分かったよ…」と苦笑いしつつ
「ただいま〜」って優しく胸元をさすってる。
あんまり甘えられるの得意じゃないんだよね、
翔にぃは。
だから口では「なんだよ〜」とか
言っちゃうけど、ほんとは可愛くて仕方ない
ってことも俺らは知ってる。笑
和は気持ち良さそうに目を閉じて
翔にぃの優しさを体で受け止めてる。
高熱で辛いだろうに、
幸せそうに見えるから不思議だ…
翔「そのままね〜」
和の気持ちを受け止めつつ、翔にぃはそっと
聴診器をあてていく。
翔「かず？この辺、苦しくない？」
胸に手を当てたまま翔にぃが質問するけど…
和「ん、…ん」
和は目を逸らして曖昧にしか答えない。
翔「かーず？大事なことだよ？」
和「…いき」
翔「ほんとだな？だったら、こっち見て？」
和「…や」
和は翔にぃに迫られても必死で顔を背ける。
さっきまでニコニコして
翔にぃのことじーっと見つめてたくせに。笑
翔「かーず？」
和「…や」
翔「嘘つきの傍には、いてやらないからな？」
翔にぃの口から出る厳しい言葉に
和はビクッとして…
和「…ん、んっ、…だ、やだ…」
ポロポロと涙がほっぺを流れる。
翔「嫌じゃないでしょ？居て欲しいなら、
ちゃんと質問に答えなさい。」
和「っ、ん…っん…、…さにぃ…」
今の和には厳し過ぎるんだって。笑
和は俺に向かって手をのばして
助けを求めてくる。
智にぃも苦笑いして、翔にぃに「ちょっと
待ってやって？」って。
和「…るしくっ、ない…」
「うん、分かったから…」
和「…とり、…だ…」
「大丈夫、一人にしないから。ね？」
和「んっ…」
手を握って胸元をトントンして
とりあえず落ち着かせる。
智「かず？翔はね、苦しいのあったら
教えて？って言ってるんだよ？」
和「…んっ」
智「我慢してて、今より苦しくなったら
病院でしょ？そうなる前に助けるから
教えてって言ってるよ？」
和「…ん、…るしい。」
智翔雅「…笑」
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作者名：空
| 作成日時：2013年9月6日 7時
