5人で生きてゆく…part17 (ページ47)

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［雅にぃside］

翔「入れるね～」

和「…！」

体温計が差し込まれると同時に
ビクンッて体を反応させる和。

翔「よしよし…もう辛いとこおしまいね～」

和「…ゅん、んっ、…たい、じゅ、ん…」

翔「潤帰ってきたら、またゲーム見せて
もらおうな…」

潤がどんなにゲームを見せようとしても、
新しいルートやアイテムの話をしても
目を開けることすら出来なかった和。

でも、優しい声と温もりはしっかり伝わって
感じてたんだね…

翔「はーい、おしまい…」

和は全身を冷やされ始めても「じゅん…」って
呼びながら泣き止まなくて
智にぃが根気強く、胸元をトントンして
寝かしつけてくれた。

学校から帰ってきた潤に、そのことを話したら
「じゃあ、夕食後までに新しいアイテム
発見しなきゃっ！」って張り切ってて。笑

検温を嫌がる和の傍で、いつもと変わらず
ゲームを見せてくれた。

何かさ、この数日間で潤がゲームの腕を
上げた気がする。笑

「とりあえず、アイシングやめてみるね。」

その日の就寝前の検温後、やっと翔にぃの
口から出たこの言葉に、みんな笑顔になる。

拗ねて布団を被ってる和も
喜んでいるに違いない。笑

翌朝、久しぶりに普通に計った体温は37℃。

翔「かずー、最後ね？これで下がってるのが
確認できれば、おしまいだから。な？」

和「…だ。」

翔「ほら、潤も居てくれるから。」

潤「うん、いるよ～！また、別ルート
見つけたから教えてあげる！」

和「…んーん、…たいも、ん、やだ…」

例えこれが最後だとしても嫌なんだろうね…

変わらず抵抗してくる和が可哀想で
胸がギューッと締め付けられる…

でも、抑え込んだ体から伝わってくる体温は
ずっとマシになってるのが実感できた。

翔「ちょっとだけ我慢ね？」

和「んーん、んーん…」

フルフルと首を振って「嫌だ」と主張してた
和がビクッとして顔が苦痛に歪む。

和「…！…だ、や…」

必死になって捩ろうとする体を抑制する俺ら。

智「だいじょーぶ…」

翔「ほら、嫌なのおしまいね…」

和「んー…」

翔「よしよし…ちょっと待ってね。」

和「んー、…か、ばか…」

潤「かず、見てー？ここ新しいルートでね…」

ポロポロ泣き出した和の傍で
潤は一生懸命に気を引こうとしてくれてる。

翔「おしま～い。」

翔にぃはいつもより長く頭を撫でて
「頑張ったね。大丈夫だから、
もう計らなくていいよ」って伝えてあげた。

和はタオルで涙を拭きながら
「…りがと…」って呟いた。