846.【6】 ページ46
［翔にぃside］
和の検温は
起床後・昼・
夕食後・就寝前の計4回。
「ごめんね、頼むね？」
雅「いーの、いーの。了解もらってるから」
固定の手が足りなければ直腸での検温は
できない。
だから今日と、念の為に明日も
雅紀には午前中で早退してもらうように
お願いした。
土、日曜日、そして今日の朝と4人体制での
検温を終え、雅紀を仕事に、潤を学校へと
送り出す。
和は全く慣れることなく
検温の度に熱のある怠い体でも
精一杯に抵抗して最後には泣いて…
智にぃと雅紀も、和の体が熱いのもあり
汗をかきながら全力で固定する。
「かず？明日には熱が下がると思うから
あと何回かね、頑張ろうな…」
和「…だっ！」
勢いよく顔を背けて「やだっ！」ってさ。
そんな和も検温の時間以外は落ち着いてる。
高熱で辛そうなのは仕方ないとしても
食べさせてやれば、アイスもゼリーも
口を開けてパクパク食べる。
雅「ただーいまー！！」
相変わらず元気がいい雅紀。笑
でも、アイスを食べていた和は
その声にビクッと反応して布団に
隠れてしまった。
雅紀が何のために帰ってきたのか
分かるもんね…笑
「雅紀もお昼食べてからでいいよ？
隠れちゃったから。笑」
雅「あひゃ！了解！かーずちゃんっ！」
雅紀は洗ったばかりのビショビショの手で
布団から少しだけ出ていた和の手を
ギュッと握って「ただーいまっ」って
優しい声を出す。
和は黙ってるけど、手をしっかり握り返して
雅紀に甘えてる。
「ご飯食べてくるね」って言う雅紀に、
「戻ってこなくていい」とか言ってるけど
なかなか手を離さなくてさ。笑
素直じゃないけど
甘えられてることに安心する…
「ほら、横向くよ〜？」
検温が始まれば、バスタオルが
ズレるのも気にせず
「しないっ」って主張して、
何度も体を捩って戻ろうとしてくるんだ…
雅「固定しちゃうね？」
雅紀が体制を整えてガッチリ抑え込むまで
抵抗をやめない和。
和「…んっが、…な、い…」
横向きで抑えられた和は「潤がいない」って
検温前に泣き出してしまった。
智「かず？潤は学校ね。夕方はいてくれるから
今だけ我慢してね。」
さすがに潤に学校を休んでもらうわけには
いかないからね。
和「…ゅん…」
やっぱりさ、存在に励まされてたんだね…
和は「じゅん」って呼びながら
涙が止まらなくなっちゃった。
「やっちゃうね。」
それでも俺の言葉に智にぃも雅紀も
しっかり頷いてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 617人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
