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［和side］
翔「抜くからね。
ふぅーってしててな？」
聞こえてくるのは翔にぃの
いつもより、さらに優しい声…
あんなに暴れて嫌々言ったのに誰も怒らない。
俺はにぃ達と潤に、いつも支えてもらってる…
翔「おつかれさま〜、おしまいね…」
翔にぃはクシャクシャッと頭を撫でた後
ベッドサイドに置かれたボードに
記録をつけて「みんなも、ありがとう」って
お礼を伝えている。
智「かず？ジュース飲む…？りんご？」
「…いい」
智「ふふ…喉乾いたでしょ？」
ほんとは沢山叫んだから、ゴクゴク
飲みたいくらい喉が乾いてる。
でも、嫌なことされたから
そんなすぐに気持ちを切り替えられなくて…
素直になれない自分がいる。
智「ほら、おいしーよ…？ね？」
智にぃはそんな俺の気持ちもお見通しだ。
さり気なくタオルで涙を拭いてくれて
りんごジュースを差し出してくれる。
ストローを咥えたら「…いい子だね」って…
優しく笑って頭を撫でてくれるんだ。
誰が見ても俺はいい子じゃないけどね。笑
翔「かず？寒くない？大丈夫？」
「ん…へーき…」
検温が終われば、すぐに全身をアイシング
してくれて…
熱くて堪らなかった体が
冷やされてラクになる。
このまま寝ちゃおうかな…
そう思って目を閉じた。
翔「熱が下がってラクになるまでは
もう少し時間がかかるからな…」
俺の頭を優しく優しく撫でながら
翔にぃが呟く。
それでさ、言うんでしょ？
「ごめんな？」って…
翔「かず…ごめんな…？」
ほらね？
翔にぃのせいじゃないのに…
「…ょにぃの、せ、いじゃ、…い…よ？」
翔にぃは俺が寝てると思ったんだろう。
ビックリして「あ、ごめん。」って苦笑い。
結局、また謝ってきた。笑
そして、寝ようと試みてる間に
またやってくる検温の時間…
「嫌なんだってば！！」
この時ばかりは大人しくしてられない…笑
だって入れられる時の感覚が
大嫌いで大嫌いで堪らないんだもん。
雅「こいつさ、
ほんとに40℃超えてんの？笑」
翔「…笑」
智「ふふ…嫌なんだもんね。よしよし。」
子ども扱いされたって構わない。
我儘って言われても、じっとしてろって
叱られても、迷惑掛けたっていいもん。
絶対にやらせないんだから…
この時俺は、抵抗に抵抗を重ねれば
「もう…」って諦めてもらえるかも。っていう
わずかな望みにかけてたんだ。
よく考えたらさ、そんなの絶対に
あり得ないのに…笑
「やめろって！！」
俺は全力で拒否を続ける。
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
