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［翔にぃside］
和は何度も
「ごめんなさい」って
謝ってくる。
高熱で起きてるのも辛いだろうに
ちゃんと俺の目を見てさ、謝ってくるんだ…
「俺も、ごめんな…和の気持ち、ちゃんと
分かってあげれてなかったね…」
手を胸に当てたまま、頭を撫でながら
伝えたら小さく首を振りながらも
やっと目を閉じてくれた和。
泣き腫らした目が痛々しくて
すぐに冷たいタオルをのせてやった。
智「和にはさ、翔が必要なんだよね…
誰がどんなカタチで、どんなに傍にいてもさ
やっぱり翔がいないと、こんなにも
和の心は不安定になっちゃう…」
「ん…ごめん…」
智「謝らないで、いいよ…俺だって
翔の立場になってたら、どうなってたか
自信ない…」
「…」
智「さっき先生さ、内線で言ってたよ？
偉そうなこと言ったけど、第三者だから
言えることだって。」
「…」
智「俺も翔くんの立場に立ったら
どう思うのか分からないって…」
「…ん、ん、んっ…」
智「ふふ、泣かないの。」
智にぃは「来てくれてありがとう…」って
そっと肩を抱いてくれて
落ち着くまでずっと、傍にいてくれたんだ…
それが心地良くて、気が付いたら
和の手を握ったまま眠りについていた。
後「翔さんもお兄さんも、風邪ひきますよ？」
明け方、後輩に起こされて。笑
「担当医お願いしますよ。笑」って
診察キットを置いてった。
こんどしっかりお礼しなきゃね。
俺のワガママでだいぶ振り回しちゃったから…
「かず…？ちょっと音聴かせてな…？」
そっと聴診器をあてたのに
ボーッとしながらも手で払いのけてくる。笑
相変わらず診察には不協力ってわけね…
和「…ょうせんせ？」
「ん？」
和「…う、…じわる、しない…」
「だから翔先生がいい…」そう言った和は
ポロポロ涙を流しながら両手をのばしてきて。
「うん、ごめんな。俺も和の先生でいたい。」
抱きしめた体は、昨日と変わらず高温だけど…
和の表情はホッとしたものに変わった。
「俺、今日休みだからさ…兄ちゃんとして
ずっと傍にいるから。な？」
和「…ん、嬉しい…」
小さく笑ってギュッと抱きつき直してくる和が
愛おしくて可愛くて。
こいつの兄貴でいられること
幸せだなって思えるんだ。
泣き虫で口も悪いし、天邪鬼だけど…
誰よりも気遣い屋さんで、繊細で。
智「ふふ…まーた泣いてる。笑」
だって、だってさ…
腕の中にいる和の温もりが嬉しいんだもん。
離したくないよ。
ずーっと…
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
