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［智にぃside］
今日は潤が
病院に居てくれるから
俺は帰って家のことを
済ませて、また戻った。
病室に和と潤の姿はなくて
探そうとしたら、いつもと雰囲気の違う翔が
入ってきてペラペラ喋り出した。
そのどれもが小さなヤキモチから始まったん
だろうなっていうのは分かったけど。
翔にとっては許せるレベルではないらしくて…
翔「あいつらに確認するけど、
もし全部ほんとなら
今回は和の担当医やめるから」
そうキッパリ言い放つ翔。
「悪いけど、診る気にならないし、
診たいとも思えないから」翔はそう言って
苦しそうに唇を噛んだ。
翔の気持ちも分かるけど、まずは事実確認
してみないとね。
双子がいるであろう屋上に向かう俺ら。
せめてシュン…としてて欲しいって
願いも虚しくボールで楽しそうに遊ぶ和と潤。
俺らをチラッと見て、すぐに目を逸らす。
翔「お前らな、小学生泣かしといて
その態度はないだろ！！」
殴りそうな勢いで怒鳴る翔を何とか抑え込む…
まず事実確認って言ってんのに…
潤「…ごめんなさい！」
泣かしてからずっと気にしてたんだろう。
潤がすぐに謝ってくる。
でも謝るってことは翔が言っていたことが
何かしら当てはまるって意味でもあって…
翔「これ、和がやったの？」
翔は怒鳴りたい気持ちを抑えて、
和にビショビショになった折り紙を見せる。
和「…ん」
翔「なんで？」
和「べつに…」
翔「別にじゃねーよ！歩がこれ大事にしてんの
知ってただろ！」
和「…」
翔「退院して早く居なくなって欲しいって
思ってるって言ったのもお前？」
和「…うだよ」
翔「何で小学生にそんな意地悪すんの？」
和「…」
翔「何とか言えよ！」
和「…」
翔「もうお前の担当医やんねーから。
治す気にもなんねーから。」
翔は和に怒鳴った後「悪いと思ってんなら
早く謝って来いっ！」って潤の頭を叩く。
潤は「…は、い。ごめんなさい…」って
涙目になりながらも頷いて屋上を出ていった。
和のことに対しても責任を感じてるんだろう…
潤が加担しなければ、ここまで話は大きくは
ならなかっただろうから。
黙って見ていた和が口を開く。
和「…にぃが、いけないんだよ。」
翔「は？」
和「いつも、いつも歩ばっかり。
翔にぃは俺の先生なのにっ！！」
和はキリッと翔のことを睨むと
走り出してしまう…
病室に行くだろうなとは思ったけど
心配で後をついていった。
和は病室のベッドに潜り込んで
静かに泣き出した…
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
