5人で生きてゆく…part17 (ページ34)

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［雅にぃside］

翔「さっきのとは
関係ないだろ？」

和「…るさいっ！」

翔「理由つけてグズグズするのやめなさい。」

和「うるさいな！あっちいけよ！」

今日も和は「俺のとこより、歩くんのとこに
先にご飯持ってった」っていじけてる。笑

だから「薬も飲まない」んだとか…

言ってること小学生以下。

翔「和は自分で取りに行けるでしょ？
歩は車椅子だから大変なの！」

和「俺には歩けって言うくせに！」

翔「歩とお前は病状が違うだろ？
ほんとに分かんないの？」

さすがの翔にぃもイライラしてきたみたい…

「かず…？もうやめな。わかってるもんね…」

大きく衝突する前に、間に入ることにした。

甘えたいならさ、せっかくの時間を大事に
すればいいのにって思うけど。

なかなか素直にはなれないんだよね…

和「んっ、もう、いい…」

翔「は？よかねーよ。薬飲んでからにしろ！」

和「んー…んっ、ん。」

和は悔しいのか、顔を背けたまま
ポロポロ泣き出してしまった。

「俺が飲ませておくからさ。
ちょっと優しくしてやってよ。ね？」

小声でお願いしたら「だって、
分かんねーもん…」って苦笑いして
病室を出ていってしまった翔にぃ。

和「んっ、ん…もう、いい…」

「後できてもらおうね…」

和「…いい。どうせ、リハビリ、ついて
いっちゃう、もん…」

あーあ…完全にヤキモチじゃん。

俺にとっては可愛いもんだけど、
ずっと一緒にいて、診察したりしなきゃ
いけない翔にぃからしたら大変なんだろうね。

いつもは、こんなことにならないんだけど
歩くんの両親が共働きで、ほとんど面会に
来れないんだって。

だから「翔せんせい！」って懐かれると
放っておけないんだとか…笑

翔にぃは子ども好きだからね。

後は子どもの担当になることも
そんなに多くないから、今までこういうこと
なかったのかもね。

和は布団に潜ったまま出てこなくて…

「かーず？薬だけでも飲んで？」

傷付いた心が折れないように
そっと優しく声を掛けてみる。笑

和「…むから、一緒に…ームしよ？」

「あひゃ！もちろん！」

一緒にゲームしよう。なんて可愛いこと
言いやがって。笑

その後も「ベッド座って」だの何だの
たっぷり甘えてくれて
いつの間にか和の機嫌も良くなってた。

沢山笑って、覗きにきた翔にぃにも
「みてっ！」ってクリアしたゲーム見せて。

翔にぃも嬉しそうに頭を撫でて
俺に「ありがとっ」って口パクで伝えてきた。