826.【4】 ページ26
［翔にぃside］
出来れば痛み出す前に
病院で点滴に
切り換えてやりたいんだけど…
潤「くんなっ！」
こんなんなら、鎮静剤も打っておけば
よかったかな。笑
興奮状態の潤は俺の話なんかそっちのけ…
和の傍にいたいって気持ちは
分かるけどね。
「じゅーん？早めに治療しないと
入院が長くなるだけだよ？
和がさ、辛い思いするんじゃないの？」
潤「…るさいっ！触んなっ！」
「…」
智「ねぇ、じゅん？」
どうしようか悩んでいたら
黙ってた智にぃが潤の傍に座って
声を掛けてくれた…
最初の呼び掛けこそ優しかったものの
すぐに顔付きが厳しくなった。
智「そろそろ、いい加減にしなよ？
叱られて無理矢理に連れて行かれたい？」
潤「…」
智「このままだと、そうなるよ？」
潤「…」
智「こっち見なさい。」
智にぃは潤の顔を上げさせて問いかける。
智「自分で車に乗れるね？
家では治らないって翔に言われたんだから、
その意味分かるよね？」
潤はポロポロ泣いて、智にぃから逃げるように
雅紀の背中に引っ付いた。
それを見た智にぃは俺らに向かって「頼むね」
って笑って、和の部屋に入っていった。
こういう時、頼りになるのはなんてったって
智にぃで…
その存在に毎回の様に助けられてる俺。
「じゅん、いこっか。」
潤「んー…」
嫌がってるけど、雅紀から離れようとは
しないからそのまま引っ張る。
Tシャツにスウェットだから
わざわざ着替える必要もなさそうだしね。
雅「じゅーん、重いって…笑」
車の前まできて最後の抵抗のつもりなのか
雅紀に引っ付いたまま座り込もうとする潤。笑
「雅紀、倒れちゃうよ？ほら、立って？」
潤「…か、ばかっ…」
支えてやったら「ばか」って怒りながらも
立ち上がってくれたから車に乗せる。
それでも嫌なことに変わりないようで…
先「叫んでるから、和くんかと思ったよ。笑
どした？」
「すみません…
和も潤も似たようなもんで。笑」
廊下から診察室までギャーギャー叫ぶから
先輩が心配してみにきてくれた。
俺が状況を説明したら「時間あるから
サポートするよ」って言ってくれて。
当直明けだろうから申し訳ないけど
お願いすることにした。
先「和くんの為にも元気になろうな〜」
潤「…わんなっ！くんなっ！」
せっかく病院まで来たのに、また一から
説得し直しかな…
雅「じゅん？俺らには良いけど、先生には
そういう口きかないの。駄目だよ？」
潤「…るせーな！触んなっ！」
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
