825.【3】 ページ25
［雅にぃside］
翔「痛くなって
きちゃったね…」
明け方になって
再び痛がり出した潤。
翔にぃは優しく励ましながら「まだ病院に
行ける時間じゃないから…」って
また鎮痛剤を打ってくれた。
潤「…いんは、いかないから。」
翔「いいから、寝てろ…」
潤「…だ、やだ。絶対、行かない、から…」
まだ話をする前から頑なに病院行きを
拒み出した潤。
翔にぃは「行かないとかって選択肢ないから。
ほんとだったらな、昨日の時点で救急車でも
いいくらいなんだからな？」って
潤の目を捉えて厳しく話す。
潤は翔にぃを睨み返して「とにかく
行かないから」って顔を背けてしまった。
さっきまで冷や汗かいて、腹痛に
耐えていた人とは思えないよ、全く…
様子を伺っていた智にぃも苦笑い。
翔「痛みなくなれば、すぐ寝るんだから…笑
こうやって寝ててくれれば
無理なく連れてけるんだけどなー…」
翔にぃは寝息を立てる潤の髪の毛を
クルクルして遊んでる。
きっとね、起きた潤を無理矢理に
連れていくことになるだろーから…
そうなったら、やっぱり一番辛いのは
翔にぃなのかな…って思ったりする。
そう思うからこそ、この何でもない時間を
大切にしてる翔にぃがカッコ良く
見えるんだよなぁ。笑
俺らは朝ごはんを食べて、和にもきちんと
潤のことを話して伝えた。
隠し事はなしだからね。
智にぃが和とお留守番で、俺は翔にぃと
潤を病院に連れていく担当。
翔「潤！おいで？こっち。」
潤「やだっ！触んなっ！」
目覚めた潤は薬のお蔭で痛みがないらしく、
それをいい事に抵抗を繰り返す。
部屋から逃げ出したと思ったら、
和室に逃げ込み…
今はリビングの端っこで「触んなっ！」って
怒ってる。
やってること、いつもの誰かさんと一緒。笑
翔「そろそろ薬切れるよ？」
潤「ほっとけ！」
翔「じゃあ、痛くて動けなくなってから
救急車呼ぶ？」
潤「…」
翔「おいで。治してやるから。」
潤「…だ。家からは出ないっ！」
潤はさ、和のこととなると周りも
見えなくなって、自分を見失う癖がある…
それで結局、一番辛いのは自分に
なっちゃうんだからさ…
だから翔にぃに、何度も同じことで
お説教される羽目になるんだって。
俺はそう思うよ？笑
今回は体も辛いだろうから、翔にぃは
配慮してそんな厳しく叱ってないけどね。
カミナリが落ちる前に、素直に病院に
行った方がいいと思うんだけどなぁ…
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
