824.【2】 ページ24
［智にぃside］
翔「じゅん？
ちょっとだけ教えて
欲しいこと聞いていい？」
痛みが落ち着いた潤は
ウトウトし出したけど、翔が肩を叩いて
声を掛ける。
目を開けた潤はバツが悪そうに目を逸らして
小さく首を振った。
教えたくないってことなんだろうね…笑
まぁ、そんなの翔には通用しないけどね。
翔「和から離れたくないから
体調悪いの隠してたんだろ？」
潤「…ん」
翔「ずっとさ、和のこと心配だった？
不安だった？」
潤「…ん。…って…」
ポロポロ泣き出してしまった潤。
きっと今回も和と繋がった心で
沢山の辛いことを背負ってたんだろう…
雅「…そっか。辛かったんだね…」
雅紀はそんな潤をそっと抱き寄せてやって
「だいじょーぶだよ」って声を掛けてくれる。
翔「原因分かったから…
とりあえず寝せてやってくれる？」
雅「うん、分かった。じゅん？
もう大丈夫だって。
翔にぃが治してくれるって…」
泣き続ける潤に根気強く向き合う雅紀は
いいお兄ちゃん。
大きな手で、ゆっくり優しく背中を撫でて
安心感を与えてやってる。
雅「…寝たかな。」
しばらくして雅紀が布団に戻しても
潤は起きることなくスースーと寝息を
立てていて。
翔「いい顔してるね…よかった。」
薬のお蔭だって分かっているけど
さっきの痛がり様を見ていたから
安心することができた…
［翔にぃside］
和も潤も落ち着いてるのを確認して
リビングに集まった俺ら。
まずは潤の説明からしないとね…
「和を心配することによって、かなりの
ストレスが潤にかかっていたこと。」
「それを俺らに隠そうと無理を重ねたことで
さらに潤の心に負担がかかってしまったこと」
「それによって、食べ物も受けつけない程
胃が弱ってしまっていること」
俺が一つ話すごとに、智にぃと雅紀も
辛そうな表情になってくる…
「このままだと、胃に穴が開いてしまう
可能性もあるから。とりあえず入院して
絶食して薬で治療するから。」
そんな2人を見ているのが辛くなった俺は
これからのことを早口で一気に喋った。
智「…入院か。」
ボソッと呟いた智にぃは、そのまま俯いて
しまう…
分かってる。
この状況で潤が大人しく入院してくれるはずが
ないことくらい。
でも俺らは和だけじゃなくて、潤のことも
守らなきゃいけないんだから…
智「翔が考えてくれた治療法なら
間違いないから。
協力するから、よろしくお願いします…」
雅「うん、俺も。
よろしくお願いします…」
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
