5人で生きてゆく…part17 (ページ22)

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［翔にぃside］

俺も落ち着いて
潤も風呂から上がって
事情を聞いて。

3人でリビングのソファーで
和が戻ってくるのを待つ。

しばらくして、目を真っ赤にさせた和が
雅紀に支えてもらいながら
リビングにやってきた。

俺らの近くまできて目があった途端、
また涙をポロポロ零して泣き始めた和。

智にぃはそんな和を、俺の隣に座って
厳しい表情で見つめている…

雅「とりあえず、ここ座って？」

和「んっん、しょ…にぃ…」

雅紀に座らされそうになった和は
俺に向かって手を伸ばしてきた。

朝からずっと、抱きしめてやりたかったんだ…

和の存在を確かめたくて、いなくならないって
自分に言い聞かせたくて。

だから俺は迷わず伸ばされた手を受け止めて
苦しいくらいにギュッと抱き寄せた。

和「…にぃ、しょ、にぃ…ごめんな、さい…」

「ん…いいよ…」

和「…どいこと、いって、ごめん、なさ、い」

泣きながら必死で謝る和が愛おしくて…

いつも、なかなか上手くごめんなさいって
言えないのに…

やっぱり今日は、それだけ後悔してるって
ことなんだろうね…

和を後悔でいっぱいにしてしまって
何だか申し訳ない気持ちになる。

雅「かず？立ってるの辛くない？座る？」

雅紀が支えてくれても嫌だと首を振る…

俺は抱きしめたまま智にぃの隣に座って
背中をさすり続けた。

和も床にペタンと座ってくれて
俺の膝にくっ付いて泣いていて…

和「んっ、ん…とにぃ、ごめ、んなさい…」

でも顔を上げて智にぃに謝ることが出来た。

智「ねぇ、かず？」

和「んっ、ん…はっ、い…」

智「自分が辛かったら
周りの人を傷付けてもいいの？」

和「ん、んっ、だめ…」

智「我儘言ったり、駄々を捏ねたりするのと
人のことを言葉で傷付けるのは
全くの別物だよ？」

和「…っい、はい…わか、りま、す…」

智「翔がどれだけお前のこと大事にしてるか
分かってるだろ？」

和「…ん、はい…」

智「本心じゃないって分かってるけど
それでも言葉って人の心を傷つけるよ？」

和「ん…」

智「大事に思ってる人に言われれば
それだけショックも大きい。覚えておけよ？」

和「…はい」

和は厳しく言い聞かせる智にぃから
一度も目を逸らして逃げることなく
きちんと話を聞くことが出来て…

和「…めんな、さい。ごめんなさい。」

そう言って、
智にぃにもしっかり抱き付いて甘えていた。

和はその夜「翔にぃ一緒に寝よう？」って
部屋にやってきて…

俺らは寄り添って眠った。