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［雅にぃside］
仕事から帰宅して
和の体調のことも
翔にぃの昨日の出来事も
説明してもらった俺。
智「素直になれなくて、
全然甘えられてないから頼むね」
翔「帰ってきて早々、ごめんね、雅紀。
傍にいてやってくれる？」
にぃ達にそう頼まれて部屋を覗いたら
丁度、点滴を引き抜いている最中だった…
急いでその手を掴んでコールで
にぃ達を呼び出す。
和「…なせ！離せっ！」
翔「ありがと、雅紀。刺し直すね。」
翔にぃの指示通りに和を抑え込む智にぃと俺。
素早く手当を終えて、新しい点滴が右手の
甲に刺される。
和はずっと「離せ」「触んな」って叫んで、
泣くこともパニックになることも
忘れているみたい。
翔「はい、おしまい。」
和「勝手なことばっかすんなっ！」
抑えられてた手が自由になった途端に
翔にぃのことをバシッと叩いた和。
翔にぃは「いてっ…」って
小さく反応しただけで
それ以上は何も言わなかったけど…
智にぃは黙ってはいない。
智「和！まずは抜いたこと
ごめんなさいでしょ？」
和「…るさい！」
智「叩いたこともちゃんと謝りなさい」
和「…るさい、出てけ！」
智「そんな態度でいいわけないでしょ？
何でも許されるわけじゃないって
いつも言ってるよ？」
智にぃは和に一歩詰め寄って問い掛けた。
翔「…いよ、智にぃ…平気だから…」
黙っていた翔にぃがフォローするけど…
和「翔にぃが悪いんだろ！
何でも無理矢理やりやがって！」
智「和？翔は和のことをいつも一番に
考えてるよ？」
和「そんなことないっ！」
智「和？」
和「だって治んねーじゃんっ！
治す力もねーくせに！医者ズラすんなっ！」
言い過ぎた和の一言に
大きく手を振り上げた智にぃ。
和も叩かれることを覚悟したのか
目を瞑って顔を背けた。
ほんとに一瞬だけどスローモーションの
様に見えて…
「…！待って！！」
俺は慌てて智にぃの手を掴んでとめた。
「叩くのはなしでしょ？智にぃ…」
黙って俺の手を離させた智にぃは
和に向かって怒鳴る…
智「出てけ！納得いかないなら、
お前が出てけ！！」
ビクッとした和の腕を掴んで
ベッドから引きずり降ろした智にぃは
「翔が許しても俺が許さないから。」って
呟いて和の背中を押す。
和はポロポロ泣いて、一生懸命に首を振るけど
智にぃに引きずられる様にして
あっという間に玄関に追放された…
翔「…とにぃ…これ以上はやめて…お願い…」
やっぱり止めたのは翔にぃだった…
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
