817.【和の後悔…】 ページ17
［智にぃside］
和「離せっ！
触んな！バカッ！」
翔「嫌なの分かったから。
これだけやらせて？」
和「分かったならやんな！
触んなって言ってんだろ！」
体調を崩して学校を欠席させられたことが
今回は相当気に入らなかったらしく
朝から何度も翔に八つ当たりしてる和。
今日は和が楽しみにしていた課外授業も
あったみたいだし、
尚更納得いかないんだろう…
翔「ごめん…サポートお願いしても、いい？」
翔は申し訳なさそうにお願いしてくる。
今朝の翔は元気ないんだよね…
俺の憶測だけど、
患者さんが亡くなったんだと思う。
昨日の夜「担当患者の容態が
良くないから、今夜は帰れないかも。」って
電話がきて…
それなのに数時間後
黙って帰ってきたからね。
前にもこういうことがあったから
何となく分かる。
そんな精神状態なのに
和のことが重なっちゃったから
ちょっと心配なんだ…
「かず、ちょっと我慢してね…」
和「離せっ！やんなって言ってんだろ！
離せ！触んな！」
興奮状態の和を布団の上から覆い被さって
抑えつけて、翔に採血してもらう。
和は強がってるけど、体は小さく震えていて
採血を心が拒否しているのが分かる。
翔「おしまいね。ありがと、智にぃ。」
和「翔にぃのバカ！智にぃもバカ！
こっちくんな！触んな！出てけ！」
翔「…」
和の口から出る言葉は本心じゃない。
いつもの翔なら負けずに言い返すか、
笑って受けとめるけど…
今日はチラッと辛そうな表情を見せて、
それから黙って片付けを始めた。
「しょう…？少し休んでおいで？
和のことは看ておくから。ね？」
昨日もそんなにゆっくり寝れてないだろうし
部屋で少し休んで欲しくて、
翔を部屋から出した。
和「…とにぃも、出てって。」
俺に背を向けてボソッと呟いた和。
面と向かって言う勇気はないんだから、
可愛いもんだよね…笑
「かず？学校行けなくて悔しいのは分かるけど
翔のせいじゃないでしょ？
あんまり辛く当たらないでね。」
和「…」
「昨日、患者さんのことで色々あって
辛かったみたいだから。頼むね？」
和「…」
ここまで言っておけば、察しのいい和になら
99％伝わっただろう。
「我慢できない時は、俺に文句言って？
ね？甘えてもいいし…」
そう言って背中を撫でたら
コクンと頷いてくれた和。
俺は頭を撫でたり、背中をポンポンしたりして
和が寝るまで傍を離れなかった。
和がそれを望んでいると分かったから…
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
