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［智にぃside］
翌朝
挿管を外してもらい、
いくらか表情も和らいだ。
翔「夕方までには無菌室に移すから、
今のうちにさ、沢山触れて温もりあげて？」
雅「うん、そうだね…」
潤「…うん、かず…」
さっき翔から無菌状態で管理することを
告げられたばかりの雅紀と潤。
でも泣いてる暇なんてなくて…
一生懸命に身体をさすってる。
2人とも強いんだね。
俺は改めて、泣いてた昨日の自分を
恥ずかしく思う…
潤「目は？いつ、覚ますの…？」
翔「まだね…何とも言えない。」
潤「…」
翔は俯いた潤の肩を抱いてやる。
翔「今日の感じからするとね、
夜までには必ず。」
潤「ん…」
「無菌室に移動するまでに覚めてくれると
いいんだけどね…」
ICUにいる状態だから、いつまでも和の傍に
ついててやることはできなくて。
俺は雅紀と潤を連れて屋上にきた。
潤「お、れ、かわって、やりたい…」
和の傍から離れて、堪えていたものが
溢れてきたんだろう…
座り込んでポロポロ泣き出した潤を
ただ慰めることしかできない。
それに、これからさらに和が苦しむのを
俺らは黙って見ていることしかできないんだ…
でもね、和は強い。
こんなことには負けないんだから。
それは俺らが一番よく知ってる。
翔から連絡がきたのは
それからしばらくしてからのこと。
「潤？かずね、目覚めたんだって。
会いにいく？」
潤「…く、まって…？」
潤は涙を拭いてから「泣いたって分かる？」
って気にしてる。
強がりなんだから…
「ふふ。泣いたっていいんだよ？」
潤「…め。だめ。俺、泣き虫じゃないもん」
「ふふ。」
そうだよね、和が泣き虫キャラだもんね。笑
頭をクシャクシャしてやったら
「いこう？」って笑った潤。
さっきまで泣いてたとは思えない。
ほんとに強いんだね…
「お前のさ、その強さがあれば和のこと
守ってやれるから。ね？」
潤「…うん」
「雅紀の笑顔もね？頼むよ？」
雅「あひゃ！任せて。笑」
俺は頼もしい弟達を連れて
和のいるICUまで歩いた。
翔「あ、きたきた。ほら、かず？」
目を瞑っていた和は、ゆっくり目を開けて
キョロキョロと俺らを探す…
和「…ん。じゅ…」
潤「うん、きたよ？」
和「…さ、に…」
雅「えらいね、和。」
和「…と、…ぃ…」
「かず…」
俺らの名前を呼ぶこともままならない姿に…
駄目だと分かっていたけれど、
俺の目から溢れた涙は止まらなくなった…
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
