801.【弱りきった体】 ページ1
［翔にぃside］
智「ごめんね…」
ベッドに寝かされて
挿管されて意識のない和…
智にぃはそんな和の頭をポロポロ泣きながら
撫でている。
先「風邪の菌が悪さしたんだ…
智くんが張り付いて看病してたって
避けられなかったんだよ？
翔くんもそう言ってただろ？」
智「…はい」
先輩は智にぃの肩を優しく叩いて、
「和くん、強いから。大丈夫。な？」って
励ましてくれた。
智にぃは「和が高熱だったのに
俺が目を離したから」って、自分を責めて
ポツポツ話しだす…
智「洗濯物、干してくるね…って言ったら
和ね…「ありがとう」って笑ったんだ…」
「うん」
智「でも…戻ったら痙攣、してて…
もう、意識…なくて…」
「…うん」
智「…ごめん…」
でも誰だって一日中離れないのは無理でしょ。
こうなることは俺にも
予想できなかったんだから。
どちらかといえば、俺の責任…
だけど、辛いだろうね。
だって目の前にいるのは
意識がない和だもん。
病室に響くのは器械から発せられる音だけ…
潤「ねぇ…いつ起きる、かな…？」
雅「応援してやろーね。」
すっかり落ち込んだ智にぃを見て、
2人ともビックリしていたけど
慰めることもなく、もちろん責めることなく…
潤「起きたら、教えて、ね…？」
雅「智にぃ、翔にぃ、お願いします…」
いつもの智にぃみたいに優しく笑った2人。
みんなで支え合うんだもんね。
でもそれだったら
智にぃがこのままじゃ困っちゃうよ？
「智にぃ？もうさ、自分を責めるのは
おしまいにしよう？」
智「…でも」
「和の為にできることをしようよ。ね？」
智「…ん。」
「俺の話、聞いてくれる？」
頷いてくれた智にぃに
今後の治療について話す。
長男に同意してもらわないとね。
智「クリーンルーム…？」
「そう。無菌室。今ね、和の体に強い薬を
入れてるから。菌に対抗できる力が
ほぼゼロになっちゃうんだ。」
智「そんなことして…大丈夫なの？」
「うん。だから、クリーンルームに
入ってもらって身体が元に戻るまで、
無菌状態で徹底管理する…どうかな？」
智「俺、泊まれないよね？」
「うん…」
そうなんだよね…問題はそこ。
和は一人で入院しなきゃいけない。
それに面会も許可されないから、
和は狭い部屋に一人…
智「でも…それしか方法ないんでしょ？
だったら、支えよう？」
よかった…
智にぃはいつもみたいにフニャっと笑って
「大丈夫」って言ってくれた。
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作者名：空
| 作成日時：2013年8月8日 7時
