799.【4】 ページ49
［和side］
学校で過呼吸か…
正直、ちょっぴり不安で
「どうか起こりませんように。」って
祈ってた俺。
潤「かずー？帰るよー？」
「はーい…！」
何とか一日乗り切れて、一安心。
薬のお蔭なのか、気持ちの持ちようなのか…
翔にぃにも聞いてみたけど、こればっかりは
医者にも分からないらしい。
ただ、薬のお蔭でないことは確か…笑
潤「だいじょーぶだからね。ゆっくりね…」
ほらね、飲んでたって家だと容赦なく
襲われる…
今だって何も考えずゲームしてただけなのに…
潤「苦しいんだよな…だいじょぶだから、な？
かず…泣かないで…」
潤の優しい声が胸の奥にスーッと
入り込んでくる。
落ち着く…
でも苦しくて流れる生理的な涙を
止めることはできなくて…
「…るし、い、…う、や、だ…」
潤「うん。分かってる…だいじょうぶ…」
「…」
潤「すぐおさまるからね…」
潤は弱気な俺にも、ゆっくり優しく
呼吸法を伝え続けてくれて…
その優しさで、心の中の恐怖とか孤独が
スーッとなくなっていく気がするんだ。
翔「どう？おさまってきた？」
潤「ん…すこし」
翔「ありがとな。潤に任せても大丈夫だから
助かるよ。な？かず…」
「…ん」
翔にぃは俺らの頭を撫でて、
首にホットタオルをのせてくれた。
潤「ねぇ、いつまで？」
翔「ん？」
潤「和はいつまで苦しむの？」
翔「…それは、誰にも分かんない。
カウンセラーにも和自身にも…」
潤「…そっか」
潤はさ、優しいから…
また代わってやりたいとか
思ってくれてるんだろうね。
嬉しいよ、その気持ち。
だから気持ちだけもらっておくね…
俺は潤と2人きりになったタイミングで
しっかりお礼を伝えておくことにした。
潤が「俺ばっかり…」って苦しい思いしたら
嫌だからね…
「俺、大丈夫だよ。」
潤「えっ？」
「潤がね、優しく声掛けてくれたでしょ？」
潤「過呼吸のとき？」
「そう。全部ね、届いてたよ。
それでね、心が軽くなる。一人じゃない、
怖くないって伝わってくる。」
潤「…るしく、ない？こわく、ない？」
「過呼吸の時は死にそうなくらい苦しい…
でも「絶対に死なない」って教えてくれたし、
潤の声に集中すれば、いつの間にか。」
潤「ほんと？」
「うん、ほんと。過呼吸なったら…って
怖い気持ちも、もうほとんどない。
潤が助けてくれるし、にぃ達も…」
潤「…よかった、ありがと…」
いやいや、俺がありがとうだって。笑
「じゅん？ありがとね…」
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作者名：空
| 作成日時：2013年7月16日 5時
