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［智にぃside］
『ぎゃー、ぎゃー』
聞いたこともない様な
叫び声で飛び起きた…
迷わず和の部屋に駆け込む。
すぐ後ろから、雅紀も駆け込んできた。
意識を失った潤の上に乗っかって
肩を激しく揺すっている和はパニック状態…
「雅紀！聴診器！！潤のこと診てやって！」
雅「…！はいっ！」
ベッドのブランケットを背後から和に被せて
ぐるっと巻いて、動きを制す…
和「…！ぎゃー」
潤から引き剥がして、抱きしめて抑え込む。
パニックの和は状況が掴めなくて
可哀想だけど、俺一人ではこうするしかない…
雅紀は潤に聴診器をあてて「問題ないね。」
って呟くと、抱き上げてベッドに寝かす。
雅「たぶんね、過呼吸起こしたけど
軽かったんだと思う。しゃべれるくらい。
体力が限界で意識とばしただけ。」
雅紀は潤の涙を拭いてやって
肩まで布団を掛けてから頭を撫でてやる。
和「ぎゃー」
「まさき、ありがと。
和のこと抱いてやってくれる？」
雅紀に和の正面にきてもらって
興奮して泣き続ける和を受けとめてもらう。
だいぶ時間がかかったけど落ち着いた和は
途切れ途切れだけど話をしてくれた。
「ちょっと強引に寝かせてしまったこと」
「過呼吸を起こして泣いていたこと」
「先にいなくなりたい…って言われたこと」
「死なない約束できるの？って問われたこと」
「潤のことを酷く責めたこと」
和はポロポロ泣きながら「ごめん、なさい…」
って呟いて意識を手放した。
俺らが思ってる以上に潤の悪夢は深刻で、
和のことも追い詰めてるのかもしれない…
とりあえず翔に一応連絡を入れて
状況を伝えておく。
潤「…れ、かずに、ひどいこと…った…」
雅「和はさ、分かってくれてるから
大丈夫だよ？」
目を覚ました潤の精神状態は
あまり良いものとは言えなくて…
目を離さない方が良さそうだから雅紀と
交代で傍についてることにした。
「和も起こしてさ、何か食べよっか？」
せっかく頷いてくれたのに
麦茶を一口飲み込んだだけで胃が拒否…
ソファーにぐったり座る潤を
和は黙って見つめている。
「潤？寝転んでてもいいよ？大丈夫？」
潤「ん…これで、へいき…」
「辛かったら言ってね？」
潤「ん…、ごめん、なさい…」
「じゅんは謝らなくていいでしょ…？」
ポロポロ泣き出した潤の頭を撫でて
声を掛けてやることしかできない。
やっぱり昨日
病院に連れて行っておけばよかった…
そんなことを考えながら翔の帰りを待った。
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作者名：空
| 作成日時：2013年7月16日 5時
