788.【6】パニックの双子 ページ38
［和side］
潤「ん…
和が、いい…」
「怖いから、寝たくない」って渋ってた潤が
「和と寝たい」って言い出したから、
今は並んで俺のベッドの中。
潤はしばらく寝不足だったし
昨日も寝てないから「寝たくない」と言いつつ
さっきからウトウトしては目を開けて…
そんなことを繰り返していて辛そうだ。
「ずっといるからさ、寝ていいよ？」
潤「んーん…、あ、やめて…」
「いいから。目閉じてて？」
寝かせてやろうと思って、
俺は潤の胸元に手を置く。
寝たくない潤は「やめて…」って
訴えるけど、体はもう限界なんだろう。
俺の手から逃れることが出来ずに、
すぐにウトウトし出す。
でも、こんなに無理矢理に寝かせたから
潤はさらに苦しくて怖い思いをしたのかも
しれない…
俺は後に、反省することになる…
どれくらい時間が経ったんだろう…
苦しそうな息づかいが聞こえて目を開けたら
隣で寝ていたはずの潤がベッドの下で
もがいていて…
「じゅん？息できないの？」
潤「…るしい、くる、しい…」
「ゆっくりだよ？ゆっくり息して？」
俺は翔にぃに教えてもらった通りに呼吸法を
伝え続ける。
でも、潤の不安はピークに達しているから…
潤「も、いい…おれ、こんな、のやだ…
かず、が…どっか、いっ…うの、やだ…」
俺の手を振り払ってばかりで
全然言うことをきいてくれない。
「落ち着いてよ、じゅん。大丈夫だから」
潤「…ん、…だ。こんな、くる、し…なら
さき…いなく、なり、たい…」
俺の頭を過る…潤がいなくなる？
「そんなの、やだよ。潤、お願い。
そんなこと言わないで…」
俺まで不安に押しつぶされそうになって
ポロポロ涙が溢れてくる…
「俺は、いなく、ならない…よ？」
潤「…やくそ、く、できん、の？
死なない、やく、…く…きん、の？」
死なない約束って何だよ…
俺、死ぬの？
潤より先に？にぃ達より先に死ぬの？
そんなはずない…
だって潤が大人になって、俺を助けて
くれるんでしょ？
ねぇ違うの？
なんとか言ってよ…
気が付いたら、俺は言葉にならない何かを
叫びながら潤を責めていて…
潤「っん、だから、おれが、いなければ…
よかった、んだろ…？」
潤は俺の目を真っ直ぐに見つめると
クタッと意識を失った。
掴んでいた両肩がドスッと床に倒れる…
なんで？なんで？起きてよ、潤…
「ぎゃー、ぎゃー」
俺の理性はどっかに吹っ飛んだ。
ただ叫んで、潤の体を上下に激しく揺すった…
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作者名：空
| 作成日時：2013年7月16日 5時
