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［智にぃside］
2週間も前に
そんなことが
あったなんて…
俺は何一つ気がつかなかった…
先「翔くん、ゆっくり呼吸して」
自分を酷く責めた翔の呼吸は乱れて
肩を大きく動かして息をしようと
必死にもがく…
先「翔くん、落ち着いて。大丈夫だから」
先生は翔に薬を打って声を掛け続ける…
翔「…すけ、た…った…」
先「うん、そうだね…」
先生は翔の涙をそっと拭ってくれて
「智くん、体起こして声掛けてあげて？」って
言ってくれる。
「しょう？辛かったね…」
これだけ声を掛けるのが精一杯。
腕の中の翔は壊れてしまいそうで…
どこかにいってしまいそうで…
俺まで涙が溢れてきてしまいそうだ。
先「翔くん、お兄さんいてくれるから。
何も心配しなくていいんだよ…
ぜーんぶ、受け止めてもらいな…」
背中をさすることしか出来ない俺に代わって
先生が掛けてくれた言葉。
翔は苦しそうに呼吸しながらも
コクコク頷いてくれてる…
それから、しばらくして落ち着いてきた翔。
「おんぶしてやろうか？笑」
翔「…ちょっと、やめてよ…笑」
先生から帰宅の許可が出たから
からかったら照れて俯いてしまった。
でも笑顔が見れたから、ちょっと安心…
雅和潤「おかえりなさーい！！」
帰宅したら飛び出してきた弟達に
翔は「ただいま」って笑顔を見せた。
食卓にならんだ夕食を見て「うまそー」って
喜んでる。笑
一人で抱え込んで押しつぶされてたけど
それから解放されて少しはラクになったかな…
夕食後、翔は自分の口で俺らに
話をしてくれた。
もちろん一番最初に「迷惑掛けて、心配掛けて
ほんとにごめんなさい…」って
頭をきっちり下げてね。笑
どこまでも素直で真っ直ぐなんだよね。
翔「助けてやりたかった…
頑張ってたのに、何で？って思うと…
やりきれない…」
涙をポロポロ流しながら話す翔を見て
みんな辛そうな表情…
翔がこうやって泣くことって
ほとんどないからね…
でも、みんなで受け止めてあげられれば
少しは心がラクになるはず…
黙ってた和が口を開いた。
和「誰が担当医でも、結果が同じなら…」
和は小さく呟いて、唇を噛みしめる…
和「…おれは、翔せんせいが
担当医でよかった…って思うよ…
きっと…その子も…う思ってる、と思う…」
和は溢れてきた涙をゴシゴシってこすって
コテっと俺に寄りかかってきた。
「ありがとね…お前の優しさ届いたよ…」
俺は耳元でそっと呟いて肩をギュッと
抱いてやった…
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作者名：空
| 作成日時：2013年7月16日 5時
