777.【3】 ページ27
［翔にぃside］
高熱で辛いのに
「翔も寝てきて…」って
そればっか気にするから。笑
俺も休ませてもらうことにした。
明け方になって戻ったら体温はやっぱり
39℃を超えていて…
智「…しょ、う？」
「うん、ごめんね。聴診だけさせて？」
智「ん…朝から、ありがと…」
「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」だから
良しとするか。笑
大人しく聴診させてくれた智にぃだけど
「そろそろ、起きなきゃ…」って
体を起こそうとし始める…
「智にぃ？まだ寝てなきゃダメだって…」
智「…べんと…」
「ん？」
智「お、べ…とう、つく、らなきゃ…」
「いいの。今日は土曜日だから。笑」
智「…ふふ。…そうだっけ…？」
慌てて起きようとするから
ビックリしちゃったよ…笑
毎日毎日、俺らのこと考えて行動してる
智にぃらしいけどね。
和「ここに卵入れるの？」
雅「そう。かき混ぜてからね。」
和「はーい」
キッチンでは早くも和が、智にぃの朝食作り。
和は「智にぃ昨日もさ、あんま食べてないから
お腹空いたかなって思って」って笑う。
「おいしそ〜だな。上手にできたね」
和「うんっ！食べれるかな…？」
「少しでも食べてくれるといいね。」
智にぃは無理してでも食べると思うよ。笑
和が作ったお粥だもん。
嬉しいに決まってる。
和「智にぃ？」
智「あ、かず…おはよ。」
和「ふふ…」
和は智にぃのお腹に顔を押し付けて甘えてる。
和「あのね、雅にぃが教えてくれた。
食べれる？」
智「お、すごいね。…もらおうか、な…」
いつもみたいに、フニャッて笑うけど
やっぱりどこか元気がなくて。
和「…無理、しなくていいよ…？」
智「…ん？」
和「…おれ、具合悪いときワガママばっか…」
はは。自覚してんだね。笑
智「うん、ありがと…でも、大丈夫。」
智にぃは「おいで…」って和を抱き寄せて
「嬉しいから、食べて元気になるよ…」って
頭を撫でてやってる。
和「食べさせてあげるね？」
智「ふふ…ありがと。あー」
こんな具合悪いときでもさ、
和の気が済むように協力してくれてる。笑
俺なら恥ずかしくて「自分で食べれるから
いいよ」とか言っちゃいそう。
智「ただ単に…嬉しいだけだよ…」
半分くらい頑張って食べて、和が食器を下げに
行ったらポツリと呟く智にぃ。
「ん？」
智「…みんなの気持ちが、ただ単に
嬉しい…優しくしてくれるのが…嬉しい…」
智にぃはそこまで呟くとふにゃっと笑って
目を瞑った。
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作者名：空
| 作成日時：2013年7月16日 5時
