772.【12】 ページ22
［智にぃside］
今日は翔が
当直明け休みだから
昼食後から勉強を見てくれるらしい。
翔「数学にすんの？」
和「うん。持ってきて？」
翔「は？自分で持ってこい！笑」
リビングでグダグダしてた和は
翔に頭を小突かれて「いてっ！」って
言いながら勉強道具を取りにいった。笑
翔「潤にどこまで教えてもらった？」
和「んーっとね、このへん…かな？」
翔「このへん…かな？じゃねーよ！笑」
和「ふふ…ここ。」
翔「ここね、了解」
翔は体をピッタリ寄せてくる和に
「ほら、それじゃ勉強できねーから」って
手を妬いてる。笑
翔「これは？分かる？」
和「分かるよ？」
翔「やってみ？」
和「えー…」
翔「…」
和「…はーい」
翔に無言で威圧をかけられ、
和はプィッと顔を背けて問題に取りかかる。
和「ねぇ、できた！」
翔「うん、頭いいな〜お前は。」
和「うんっ！終わり？」
翔「…笑。新しいとこやんねーの？」
和は「やるけどさ〜、なんか疲れた〜」って
翔に甘えて寄り掛かる。
さっきから腕がちらちら見えるけど
傷もすっかり綺麗になって
痕もほぼ残ってない。
心の方も少しずつ癒えてきたかな。
和「ねぇ、翔にぃって何で頭いいの？」
翔「へっ？」
いきなり変な質問されたから
変な声出してる。笑
和「勉強すき？」
翔「うーん…好きって言うより
自分が知らないことを教えてもらえるのが
面白かったかな。」
和「へぇ〜」
翔「数学なんかはさ、解けると嬉しかったし」
和は体を寄せて
真剣に聞きながら頷いてる。笑
和「いっぱいさ、勉強してくれる人がいるから
医者とか弁護士とかいるんだよね…」
翔「ん？」
和「なんかさ、俺には無理だなぁ〜って
思って。」
翔「はは。どした？急に。笑」
和「ん〜、分かんないけど…
翔にぃが勉強好きでよかったなぁ。と思って」
和はそこまで言い終えると、照れたのか
ラグの上にゴロンと寝ころんだ。
ほんとだよな〜
和の言いたいことよく分かる。
世の中の人みんなが「勉強なんて」
「大学なんて」って思ってしまったら
医者とかいなくなっちゃうもんね。
和の大好きな「翔せんせー」もね。笑
翔「ほら、バカなこと言ってないで
起きろって。続きやんよ？」
すっかり照れてしまった翔。
でも、和の精一杯の気持ちは届いたと思うよ？
和は翔のことが好きで、担当医で
勉強も教えてくれるから嬉しいんだよね。
翔は鈍感だから、もっともっとストレートに
伝えてやってもいいと思うけど。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年7月16日 5時
