770.【10】登校拒否 ページ20
［智にぃside］
翔「かず、帰ろ？」
雅「おしまいだって。
おいで？」
「帰ろうよ〜」
窓際で小さくなった和に
何度も声を掛けて落ち着かせる。
和「…んも、ない…？」
翔「ん？もう何もしないから。な？」
和「…ん」
小さく頷いた和に雅紀が駆け寄って
肩を抱いて立たせてやる。
和はやっと、小さく笑ってくれた。
翌朝…
翔「学校行かないって言ってるから
智にぃ、お願いします」
朝の体調チェックを終えた翔は
喋りながら朝ごはんを食べ始める。
翔「傷もね、消毒させてくれたし、
体調も問題ないから。気分転換くらいなら
連れ出しても大丈夫だから」
「ん、了解。」
みんなが出掛けた後、トコトコとキッチンに
やってきた和。
顔色もいいし、笑顔も可愛い。笑
和「智にぃ、お腹空いた…」
智「ふふ。何食べる？」
和「…メロンパン、ある…？」
智「あるよ〜」
俺が洗濯物を干しているのを
座ってじっと見ながら、
メロンパンをかじってる…
和「食べたら、あらしの散歩行ってきても
いい？」
「ん、いいけど。一人で平気？」
和「うん、平気。な？」
「ウォンッ！」
あらしがいれば一人じゃないか。笑
和「いってきます！」
元気に駆けていった和を見て、少し安心。
今回は学校でのパニックの前から
カウンセリングのことを引きずってたから
「まずはそっちのフォローからだね」って
翔たちと話し合った。
だけど、時間が解決してくれるかなぁ…って
思ったりもする。
翔「行かなくていいの？」
和「うん、やめとく…あらしと遊ぶ。」
学校を休んで4日目。
こいつが登校を拒否してるなら
無理矢理に行かせる必要はないけど。
行きたいのに行けないなら
フォローしてやりたい。
和「智にぃとね、作ったの！ミートソース！」
翔「うまそ〜」
和は家で休養して、
確実に元気を取り戻し始めてる。
雅「学校行かないのかなぁ〜？」
翔「どうかな…」
和と潤が風呂に入ってる間に、俺らは会議。
潤の話では学校での和の噂は、
だいぶ落ち着いたらしい。
噂ってさ、どっからくるんだか…
あることないこと騒がれるから、
張本人はたまったもんじゃないよね。
でも「そろそろ登校しても誰も何も
言わないんじゃないかな」って潤が言ってた。
翔「和と話してみる？」
雅「とりあえず軽い感じでさ、話してみる？」
俺らは話し合った結果、なるべく自然体で
和の気持ちを聞き出してみようって
ことになった。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年7月16日 5時
