5人で生きてゆく…part16 (ページ1)

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751.【夏の恒例イベント】ページ1

［智にぃside］

今日はこれから家族で
夏休みの恒例イベントの
キャンプにお出掛け。

雅「俺、運転する～！！」

テンションの上がり切った雅紀にくっついて
バタバタと玄関を飛び出していく双子。

翔「かーず！逃げないの！」

翔はリビングのソファーで採血の準備をして
和を呼ぶ。

翔「やらないと行けないよー？」

だけど、残念ながらその声はもう、
和には届いていない。笑

仕方なく俺が車まで迎えに行く。

和潤「しゅっぱーつ！！」

雅「ゴーゴー！！」

「…笑」

和は俺を見て、
さらに車の奥へと逃げようとする…

「かず、何してんの？キャンプ行かないの？」

和「…いくよ？」

「おいで？」

和は「行くんだから、早く乗ってよ…」って
膨れてる。笑

「採血してからって言われたんでしょ？
降りておいで？」

和「…いーの。元気、だもん…」

「それは関係ないの。知ってるでしょ？」

和「むぅ…」

さっき翔が「行く前と、帰ってきてからの
数値の違いを確認したいだけで、
採血したからってキャンプに行けなくなったり
しないから」って和を説得してたのを
聞いてたんだから。笑

雅「あ、まだ準備できてなかったの？
あひゃ、ごめん、ごめん！」

すっかりテンションの上がった雅紀も
慌ててエンジンを切ってくれて…笑

雅「かず？行っておいで？」

「ほら、おいで？」

和「…んー」

かなり無理矢理で、ご機嫌斜めだけど
何とか車から降りてきた和。

翔「ほら、あっという間に終わるから。な？」

和「んー、いたい、もん…」

翔「すぐ、終わらすから。恐くしないから…」

和「んー、恐いんじゃない…
痛いのがやなの…」

翔「あー、はいはい。痛いのがやなのね。笑」

恐いくせに素直になれない和は
翔のことをペチペチ叩いて怒ってる…

翔は、その手を捕まえて「どっちの
手にする？」って優しく問い掛けてやる。

和「…たくない、ほう…」

翔「了解。じゃあ、右手だな。笑」

和の無茶苦茶な要求に付き合ってやるのも
翔の優しさ。

翔「座ったままで出来る？」

和「ん…。」

翔「動かしたら痛いからね？」

和「ん…」

座ったままが良いみたいだから
俺は隣に座ってそっと肩を抱いて
反対の手で腕を抑える。

翔「すぐだからな？」

和「ん…」

刺された瞬間、ビクッとなる腕を抑えながら
カタカタ震える体をさすってやる。

翔「おしまい。」

翔は和の頭をポンポンして「よし、行くか！」
って笑った。