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［翔にぃside］
和は「やめないで…」
って訴える。
「だったら薬頑張るしかないよ？」
和「…って、眠るの、や、だ…こわ、い…」
「じゃあ、ちょっとボーッとするくらいは？」
和「…」
「眠らせないから。な？」
和「…え、き、こえ、る…？」
「うん、聞こえる。つかっても良い？」
和「…」
和は小さく頷いてくれて「しょ、にぃが
やって…？」って見上げてきた。
先生に話してすぐに点滴をつなぐ。
智「かず？もう終わったから。だいじょーぶ」
小さく震え出した体を智にぃが優しく
さすってくれてる。
「少しだけね、薬入れるから。
ラクにしてたら大丈夫だからな？」
和「ん…ねない…？」
「うん、眠らせないから。な？」
和「ん…」
薬を少量入れて、
和がボーッとしてくるのを待つ。
「かず？」
和「…ん、ん？」
「検査続けてもらうからね」
和は意識を朦朧とさせながらも
しっかりコクンと頷いた。
消「痛かったら教えてね〜」
和が頷いたのを確認して内視鏡を進める先生。
和「…う、んっ…んー」
和はボーッとしたり、痛みに顔を歪めたり…
それでも、やっぱり薬の影響は大きくて。
消「よし、もうね全部入ったから。
頑張ったね」
和「…ふふ」
ゆっくり時間をかけて丁寧に診てくれる先生。
消「ん？だいじょーぶだよ…」
時折、少し不安そうな和に優しく
笑い掛けてくれて。
消「大きな病気は見つからなかったからね」
和「…ふふ、たいちゃん、ありがと…」
消「お兄さん達の言うこと聞いて、
早く治してね。」
和「…うーん。笑」
都合悪いとこは誤魔化しやがった。笑
家に帰ってきてから、自分のベッドで
ぐっすり眠ってしまった和。
雅「疲れたんだろうねー」
俺らから話を聞いた雅紀は「でもさ、
今回はほんとよく頑張ったね」って
自分のことみたいに嬉しそうに笑って
何度も頭を撫でてやっている。
検査となると無理矢理に進めることが
どうしても多くなるから…
今日みたいに先生のことを慕って
自分から「検査して」って言ったのは
初めてに近い。
患者と信頼関係を築くってことの大切さ。
俺は今回、また新たに学んだ気がした。
和「しょ、にぃ…お腹がね痛い…」
「ん？どこ？」
和は「こことね、ここ…」って訴えて
俺に体を寄せてきた。
可愛い奴め…笑
内視鏡をいれたから多少の痛みは仕方ない。
でも、こうやって頼ってくれるのが嬉しくて
俺は体をさすりながら
「甘えていいよ」って声を掛けた。
守ってみせる…
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作者名：空
| 作成日時：2013年6月20日 18時
