723.【強くなりたい末っ子】 ページ23
［潤side］
翔「夕食までには
帰るからな？」
智「いってくるね〜」
雅「…！まってよ〜…
お土産買ってくるからね。かっこいい服！笑」
和潤「いってらっしゃーい！！」
もう1週間も前から
楽しみにしていた兄貴たち。
新しくオープンしたショッピングモールに
出かけて行った。
なかなか休みが合わない3人だし、
和の体調も万全じゃないと駄目だから…
これを逃したら、また先延ばしだからね。
5人揃えば、違うとこに出掛けることのが
多いし。
俺は今日、フットサルがあって休めないから。
3人で出掛けるには丁度いい。
「じゃあ、俺も行ってくる！」
和「うん、いってらっしゃい！」
玄関の鍵を和がガチャッと閉めたのを確認して
俺はドアの前に座り込む…
ほんとはフットサルなんていかない。
いや、いけない…
身体中が痛くて動けないんだ…
だけど、いつまでも家の前に
座り込んでるわけにはいかないから。
俺は身を隠せる所まで歩いた…
兄貴たちにバレないように、
それらしい理由を付けてフットサルに
欠席の連絡を入れる。
『兄貴、医者なんだって？』
『たっぷり小遣いもらってんだろ？』
『ちゃんと金持ってきたら、
病気の双子くんには、手出さねーから。な？』
柄の悪い先輩に目をつけられたのは2日前。
どこからか「兄貴が医者で金持ち」っていう
デタラメな噂が巡ったらしい…
俺は当然、そんな沢山小遣いを貰ってない。
必要な時に言えば貰えるけど
「恐喝されました」なんて言えるはずもなく…
お金を渡して解決する問題だとは
思ってもないから。
なんて…かっこいい事思ってたりする。笑
『一銭も持ってこねーって
どういうつもりだよ？』
『先輩、見下してんのか？』
3人に囲まれて容赦なくボコボコに
殴られ蹴られ…
ドラマみてぇ…
地面に倒れながら、ふとそんな風に思った。
絶対に顔に傷を作らないように
仕組んでる感じからして、常習犯なんだろう…
警察いかなきゃ。
先生に伝えなきゃ。
俺と同じ目にあわされてる奴が
いるはずだから…
だけど、明日が終わってからだ。
「久しぶりの買い物だな〜」
「俺の服、チョイスしてね？」
兄貴たちの楽しみを、こんな奴らのせいで
犠牲にしたくなかった…
叱られても怒鳴られても構わない。
俺は「制服のままフットサルやっちゃった〜。
ごめんなさい。」って笑って誤魔化し
それを理由に先にシャワーを浴びて…
何とか隠し通した。
そして、今に至る…
俺は、強くなりたいんだ。
ラッキーアルファベット
X
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 518人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2013年6月20日 18時
