717.【雅にぃの失敗】 ページ17
［智にぃside］
雅「あ、いって！！」
和「雅にぃが
いけないんじゃん！」
雅「おい！
いい加減にしろよ？」
和「離せ！ばーか！！」
雅「まて！和！！」
和の部屋から怒鳴り合う声が
聞こえてきてから数秒後…
和は俺の横を全速力で
通り抜けて、玄関を飛び出していった。
雅「ほんと腹立つ！！もう、知らない！」
「なに？体調悪い？」
雅「さぁね。」
雅紀は「血圧計らせないから、そうなんじゃ
ないの？」って珍しく投げやりで。
雅「俺の顔面蹴飛ばしといて、
あの態度はないだろ。いってきます！！」
「…」
返す言葉が見つからない…笑
割とよく言い合う2人だけど、
雅紀があそこまで怒っているのは珍しい。
体調チェックを受ける和の態度が
あまりに酷かったんだろうな。って安易に
想像できるけどね。
俺は後から家を出る潤に「体調悪かったら
早退しなさい」って伝えてね。
って頼んでおいたけど…
結局、和は早退することなく授業を受けて
帰宅した。
玄関まで迎えにいった俺の顔を見て
「やばい」って表情になる和。
叱りたいけど、事情を聞いてからだな…
「体調チェックはきちんと受けなさいって、
何度も言われてるよね？」
和「ん…」
「分かってるなら話は早いね。
こっちおいで。」
不貞腐れてる和の手を引いて
ソファーに座らせる。
「さぼったのは血圧だけ？」
和「ん…」
「なんで？」
和「正常値だもん…」
「計ったの？」
和「計んなくても分かんの！」
和は俺の手を払って、
プィッとそっぽを向いた。
機嫌悪いな…
和「もう、いいでしょ。部屋にいるから。」
なぜ機嫌を損ねているのかは
分からないけど…
何かを話しても、このタイミングでは
頭に入っていかないことは明確だから。
俺は黙って和を部屋に行かせてやった。
「心当たりある？」
リビングの入り口で
棒立ちの潤に問い掛ける。笑
潤は表情を強張らせたままコクンと頷いて
手招きした俺の傍まで歩いてきた。
知っていたのに黙っていたことを叱られると
思っているんだろう…
すでに目を潤ませて俺を見つめてくる。
「叱らないから…教えて？」
潤は「ごめんなさい…」って呟いてから
話を切り出した。
潤の話に寄ると今日は課外授業があったらしく
和のグループは野球場に見学に行く。という
ものだったらしい。
万が一、血圧を計って「学校休む」って
診断が出るのが恐かったんだろうね。
気持ちは分かるけど。
それを許すわけにはいかない…
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作者名：空
| 作成日時：2013年6月20日 18時
