558.【3】 ページ8
［翔にぃside］
パンツとズボンを
戻してやっても
和はラグの上でうつ伏せのまま動かない…
この様子だと、いじけて拗ねたな…笑
利尿剤打たなくても何とかなるかなって
思ったけど、和の体には思ったより
過剰摂取が堪えてしまっていたから
今回は仕方なかったんだ…と
自分に言い訳してみる。
だって仕方なかったんだもん。笑
雅「ありゃ、泣いちゃった？笑」
一部始終を見ていたであろう雅紀が
小声で呟きながら、いたずらっぽく笑う。
「ばか！からかうなよ？」
俺が睨んだら、雅紀はケラケラ笑って
「そんなこと、しないよ〜」って
和の頭の傍に座った。
雅「かーず。痛かった？」
雅紀は和の頭を撫でながら優しく問いかける。
和「…」
雅「えらかったね、頑張れて。ね。」
和「ん…ん、ん…」
雅「泣かないの。もう、痛いのおしまい。
怖いお兄ちゃんもいないよ。あひゃ。」
和「ふふ…ん、ん…ん。」
誰が怖いお兄ちゃんだよ？笑
でも和が少し笑ってくれたから
許してやるか。
雅「かーず、顔だけでも横向きな？
苦しくなっちゃうから。ね？」
和「…ん。」
素直に頷いた和は、涙を拭いてから
そっと顔を雅紀の方に向けた。
雅「あひゃ。顔が見えた！泣き虫だ…笑」
和「んー、ばか…」
和は、からかう雅紀の手をバシバシ叩いて
怒ってる。
雅「そんな怒んなって。痛かったんだもんな。
よしよし。」
まだ完全にからかわれてるのに、
和は小さく笑って雅紀に頭を寄せていく。
雅「あら…そんな痛かったの？」
和「ん…」
雅「可哀想に…笑」
和「…ん、まだ、いたい…」
雅紀の目を見て訴える和。
雅「どこ痛いの？ここ？」
和「ん…」
雅紀は和のお尻をさすってやりながら
優しく話し出した。
雅「痛いのは、嫌でしょ？俺だって
嫌いだもん。だからさ、無駄に
痛い思いするのはやめよう？
翔にぃだって、和に痛いことするのは
嫌なんだよ？ね？」
和は小さく頷いた後、恥ずかしがって
またクッションに顔を隠した。
雅紀に、こうやって言われる機会は
あんまりないから照れくさいんだろうね。
和はそのまま雅紀にお尻をさすってもらって
機嫌も直してくれた。
いや、雅紀のお蔭で機嫌が直ったんだね。
今回は雅紀が話してくれたから、
俺は叱らなかった。
雅紀の言葉が和の心に届いたって
分かったから。
約束を何度も破る時は、もちろんこれからも
容赦しないけどね。笑
でも、少しずつ自分の体を大切にすることが
上手になってきた和なら大丈夫…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月15日 18時
