595.【10】解決策 ページ45
［翔にぃside］
あれから数日が経ち…
入院中に何度もカウンセリングして
和は精神的にラクになってきたみたい。
薬は朝まで起きないくらい強いものに
してもらって、それを飲んでる。
その代わり、そのせいでの頭痛とか
多少の副作用は我慢してる和。
潤「和なら絶対すぐ仲良くなるよ？
だって欠席多いけど、俺より沢山の先生と
知り合いだもん。ね？」
自信をもって言う潤に
俺らはみんな笑顔になる。
今回、カウンセラーに提案された療法。
それは「恐い対象のことを知ろう！笑」
だった。
知らないから、あの先生を思い出して
恐くなる。
どんな先生か知って、仲良くなれば
あの先生と重なることがなくなるからって。
和くんだからこそ、この療法なんだって
カウンセラーは笑って説明してくれた。
潤「陸上部の顧問なんだって」
和「へぇ〜。でも、俺は走ったりすんの
めんどいしな〜。どうやって友達に
なろーかな。」
先生と友達って…笑
あくまで先生なんだからな？
くれぐれも失礼のないように、しろよ？
こんな時でも、こんなことを考えてる俺は
やっぱり真面目すぎなのか？笑
和「まぁ、いいや。適当で。笑」
智「そうだね〜、自然体でいいよ〜」
「ちょっと、待て。失礼はやめろよ？
挨拶はちゃんとして、自己紹介もしろよ？」
つい口を挟んだ俺に、みんなが噴き出す。
「だって、和ならやりかねないだろ？
仲良くしてもいいけど、先生は先生。
いいな？」
和は「分かってるよ〜」って苦笑いで
頷いた。
俺の心配をよそに、和と潤はすぐに
先生と仲良くなった。
和「先生もね、兄弟多いんだって。」
智「へぇ〜、そうなんだ」
和「うん。あれ、何人だっけ？」
潤「4人だよ。和ってばさ、質問しといて
答えはそっちのけなんだもん。笑」
和「ふふ…だって、聞きたいこと沢山あってさ
慌てちゃった。」
楽しそうに話す姿にホッとする。
和は自分でカウンセラーのところに行って
説明もしてきたみたい。
和「あのね、夢に出てこなくなった。
頭からずっと先生のことが
離れなかったんだけど、今は平気。」
和は照れながら俺らにそれだけ伝えると
またゲームを始める。
それを見て、俺らはホッとした…
和が背負ったものは、俺らの想像以上に
大きくて重たいもの。
だけど、それ以上に和は強い子に育って
くれてる。
そして、それに負けないくらい俺らだって
強くて愛情はたっぷりだからね。
そんな簡単に負けないもんね。
ね？みんな…笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月15日 18時
