554.【4】 ページ4
［智にぃside］
家のことを
一通り済ませて
病院に戻ったら
シュンとしてる和が目に入った。
翔「あ、おかえり。ちょっと待っててね」
翔は俺への挨拶もそこそこに、
和のことを睨んでる…
和は俯いて小さくなっちゃってる。笑
翔「体温計出して？」
和「…こらない？」
翔「もう怒ってる。交換条件なしだから。
早く出しなさい。」
きっぱり言い切る翔に、和はビクビクしてる…
和「…」
翔「はぁ…どうやって壊したの？」
一向に動こうとしない和に
今回は翔が折れることにしたらしい。
優しい口調に変えて聞いてやる。
和「…ここに、ゴンってやった…」
ベッドの手すりにぶつけて壊したらしい。
翔「計ったあと？」
和「ん…」
翔「分かったから、出してごらん？」
和「ん。ここ…」
「あ〜あ…」って感じ…笑
イライラしてぶつけたんだろうけど…
翔「何て言うの？」
和「…ごめんなさい」
翔「いいよ。その代わり次はなしだからな？」
和「…ん。…はい」
翔は頭を撫でてやって、そっと寝せてやった。
翔「はい、智にぃと交代ね。」
和はコクンと頷いて、俺に向かって手を
伸ばしてくる。
ちゃんと、ごめんなさい出来たし
翔もこれ以上は叱るつもりはないみたいだから
俺は手を握って胸元をさすってやった。
和「…のね、千代ばぁちゃんと仲良しに
なった。また中庭行くねって約束なんだよ？」
「そっか。」
だから行かせて？と言いたいのだろう。笑
でも俺は、それには気が付かないふりをして
和が眠くなるのを待つことにした。
体は思っていたより熱いし、叱られたのも
あるんだろうけど、目も潤んでる…
和「智にぃ？俺、眠くないよ？」
「ん、分かったから。目瞑ってて？」
和は眠りたくないから、さっきから一生懸命に
目をこすってる。
少し目を瞑ってればすぐに眠ってくれるはず…
和「あ！…智にぃやだ…眠くない…」
「いいから。じっとして？」
目の上に手を乗せたら嫌がってるけど
少ししたら諦めたのか大人しくなった。
「元気になったら、俺にも千代ばぁちゃん
紹介してね…？」
俺の呟きに和はコクンと頷いて
眠ってくれた…
翔「やっと、寝たか…」
様子を見にきた翔が苦笑いで和の頭を撫でる。
手は掛かるけど、可愛い弟に
変わりはないからね。
翔「ちょっと、ごめんね〜。計らせてね〜」
体温は37.8℃。
大人しくしててくれれば、
すぐに下がるでしょう。
和にとっては、それが一番難しいこと
なんだけどね。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月15日 18時
