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［翔にぃside］
朝から
体調は万全じゃないのに
和は無茶ばっかりする…
「熱なかったら」なんてよく言えたもんだ…
ないはずがない。笑
血液検査でもしておこうと思って
一旦、病室を出た。
どーやって大人しく休ませようか考えながら
病室のドアを開けたら、
和はビクッとして目を逸らした。
ほんと分かりやすい。
和のその行動は「俺、何かしました」って
自白しているに等しい。笑
だけど部屋を見回しても
何をやらかしたのか分からない。
和が素直にしゃべってくれるのを待たなきゃ
いけない、厄介なパターンだ…笑
まだ智にぃも戻って来てないし、
ここは優しく話し掛けた方がよさそうだ。
「ただいま。何してんの？笑」
和「…なんも」
「そう。」
俺はベッドサイドの椅子に座って
和の目を捉える。
和は必死で目を逸らそうとしてくる。
「何か困ったこと？教えて？」
和「…へいき。なんもない」
せっかく優しく聞いてやってんのに…
「かず、こっち見て？」
和「…むり。俺、寝るから」
あんなに散歩のことばっかり考えてたのに
どう考えても可笑しい。
「寝る前にこっち。見て？」
腕を掴んだら、和はバツが悪そうな顔をして
俺を見つめてきた。
「ん？何した？」
和「…んも、してない」
そんな隠したいなら、始めから知らない振り
しとけよ。って思わず心の中で呟く。
「まぁ、いいや。熱、何度だった？」
和は急に慌て出して「熱、なかった！」とか
言い出す。
なんでそうやってバレる嘘つくのかね…
ほんと、呆れるよ…笑
「はいはい、なかったのね。
じゃあ、体温計返して？」
この調子だと都合が悪くて寝るだろうから。
そしたら熱くらい計れるからいいやと思って
声を掛けたんだけど、和は首を振ってくる。
「熱ないんだろ？無理やり計ったり
しないから。体温計ちょうだい？」
和「…ない」
「は？渡しただろ？」
和「…」
「和？黙ってても分かんないよ？
体温計は？」
和「…」
まったく、何だってんだよ…
和が体温計を返さない理由が
分からな過ぎる。
「かーずー？何とか言えって。」
俯いてしまった頭をポンポン叩いて促したら
すっかり涙目になって見つめてくる…
「…どした？」
和「…わした」
「ん？」
和「こわし…」
思ってもみなかった答えに思わず「は？」って
言葉が飛び出した。
「なに？壊した？」
和「ん…そう」
「ばか、どーやったら、
そんなことになんの？」
気が付いたら攻めてしまっていた…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月15日 18時
