567.【カウンセリング拒否】 ページ17
［智にぃside］
和「ただいまー」
学校の帰りにカウンセリングに
行ったはずの和が早々に帰宅した。
「あれ？カウンセリングは？」
和「行かなかった」
「なんで？」
和「…でも、ちゃんと電話したよ？」
「そっか。ならいいけど…」
和「うん！」
元気そうに笑う和だけど
俺にまとわりついてくる…
ただ面倒だからって理由なら
たまにはいいんだけどね。
気が進まない日もあるだろうし。
カウンセリングって俺が知ってるのに、
この時間に帰ってきたってことは
休んだこと隠すつもりもないんだろうしね。
和「ねー、あらしの散歩、一緒に行こう？」
「いいよ、久しぶりに夕食も一緒に作ろうか？
買い物もしてくる？」
俺の提案に和は嬉しそうに頷いて
「着替えてくるね」って部屋に駆け込んだ。
和「それでね…」
散歩の最中、和は学校での出来事を
終始楽しそうに話してくれて、沢山笑った。
「夕食、何作る？」
和「んーとね…」
しばらく考え込んでるから店内を
プラプラ歩いた。
和「ロールキャベツ食べたい！」
キャベツの前で立ち止まった和は
俺の返事も聞かずに「どれにする〜？
これ〜？こっち〜？」ってキャベツと
にらめっこしてる…笑
和「よし、これにしよう」
キャベツをカゴに入れた和は満足そうに笑って
俺を見上げてきて、肉のところに
先に歩いていった。
だけど、俺が和に追いついた頃には
すっかり肩を落としてしまっていて…
携帯片手にしょんぼりしてる…
「どした？」
俺が問い掛けたら黙って携帯を見せてきた。
『カウンセラーから電話あったよ？
家に帰ってるのかどうか心配してたから
連絡してね。』
翔からのメールだ。
「返信した？」
和はコクンと頷くと、また携帯を見せてきた。
『かえってる』
何ともシンプルな返信をしたもんだ。笑
「返信したならいいじゃん。
そんな顔しないの。」
俺がくしゃくしゃ頭を撫でてやっても
和は俯いたまま…ばそっと呟やく。
和「…おこられる？」
やっぱり心配なのはそこなのね。笑
「翔は怒ったりしないよ。」
和「ほんと…？」
「うん。美味しいロールキャベツ作って
待ってよう？」
ようやく和は納得して笑ってくれた。
それからはずっとご機嫌で、楽しそう。
和「雅にぃの大きいのにする！」
作りにくくないか？ってくらい俺に
引っ付いてくるけど、それ以外はいつもと
変わりない。
でも、何かしら原因があるなら、
上手く聞き出してやれればいいけど…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月15日 18時
