564.【やんちゃな弟】 ページ14
［翔にぃside］
和がやんちゃを
通り越してることは
知っているけど
何かある度に、それを再確認させられる。笑
今日も血圧が低いからって言ってんのに
「平気だもん！」って言い張って
勢いよく逃げようとしてフラついて転んだ。笑
「自業自得〜」
和「…じわる。ここ、痛かった…」
床に転がったまま手を伸ばしてくる和。
そりゃ、勢いよく転べば痛いでしょうよ…
「ほんとに大怪我するよ？」
和「んー、分かってる…」
「こら。どこ行くの？」
手を引っ張って起こしてやったら、
また逃げ出そうとする…
和「…学校。翔にぃは仕事でしょ？」
「そうだよ、仕事いくよ。
和が大人しくベッドに入ってからね。笑」
和「俺、学校…」
「今日は行けないよ。はい、寝て下さ〜い」
和「むぅ…ばか！」
「ばかで結構。血圧計らせて？」
和「…やだ！」
和とやり合ってたら、いつの間にか仕事の
時間だ…
智「翔？時間でしょ？代わろうか？」
俺は智にぃに拗ねた和を任せて、
仕事に向かった。
途中、智にぃに電話して和の様子を確認する。
やっぱり血圧は低めみたいだけど
それ以外は元気だから手をやいてるみたい…
翔「ただいまー」
和「あ！おかえり！！」
だけど、やっぱり犬みたいに寄ってくる和は
可愛くて好きだ。笑
いつも、犬みたいに忠実でお利口さんなら
助かるんだけどね。
「薬、飲んだ？」
和「うん、飲んだ〜！！」
風呂上り、和に声を掛けたら
いい返事が返ってきて安心。
楽しそうにゲームしてる姿を
微笑ましく思ってたんだけど…
智「かずー？薬飲むよ？おいでー」
和「…」
振り向いた和は途端に「やべっ」って
顔で俺から目を逸らす。
「かーずー？何で嘘ついたのー？」
俺が迫れば、すぐ逃げてって…
和「嘘ついたんじゃないよ！勘違い！
飲んだと思ったの！」
なんて、それらしい言い訳をしてくる。
「ふーん、そっか。笑」
納得したふりして笑い掛けるけど、
和はしばらく俺には寄ってこない。
ちゃんと分かって行動してる器用な奴だ…
かと思えば急に隣に座って見上げてきて、
「のど渇いた〜」って訴えてきたりして。
時と場合で上手く自分を使い分けてる和は
やっぱり器用なんだな…って思う。笑
「かき氷食べる？」
分かってやってるって、分かってるけど。笑
可愛いから、つい構ってしまう…
和「ふふ…おいしー」
智「あ！今日、昼間も食べたのに！！」
和「！！そうだっけ？忘れてた！笑」
「かーずー？」
和「ふふ…笑」
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月15日 18時
