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［智にぃside］
少し時間が
かかったけど、和は自分から
ベッドに寝転んでくれた。
後「はい、
カメラ入れてくねー」
麻酔のチューブが抜かれて、
それと引き替えにカメラが入っていく。
後「ちょっと気持ち悪い感じするけど
大丈夫だからね」
カメラが進んでいく違和感に顔を歪めて、
体にギュッと力が入っている和。
俺は、翔に教えてもらった通り
肩から背中にかけてさすってやり
リラックスできる様にサポートしていく。
先生は、優しく声を掛けながら
検査を進めてくれて、翔とモニターを見ながら
話をしている。
和「…まだ？」
後「あと少しね。」
和「…もうや。いたい…」
後「え？痛い？」
違和感が嫌なだけだと思うんだけど
それを痛いって表現したから、先生は
ビックリしてる。
翔「ごめん、大丈夫だよ。こいつさ、
鼻からチューブ入れられんの嫌いだから
混乱してんだと思う。気にしないで。笑」
翔が上手くフォローしてくれて
「な？痛くないよな？笑」って言いながら
頭を優しく撫でてやる。
後「よかった。和也くんもモニター見れたら
いいんですけどね。」
そんな余裕はなくて目をギュッと瞑って
ひたすら耐えてる和を見て先生が呟く。
翔は「ね。笑」って笑ったあと、
和に優しく声を掛けてみてくれたけど…
「んーん、いい…」って
和は結局、最後まで目を開けたがらなかった。
検査の結果は胃潰瘍。
きちんと処方した薬を飲めば
治るって言われて和は嬉しそうに笑った。
翔「ほんとにありがとう。
今度さ、ご飯でも食べに行こう。
ご馳走するから。」
翔がお礼をしている横で「ねぇ、早く
帰りたい」って翔のフードを引っ張る和。
翔「お前、世話になったんだから、
お礼しろよ！」
和は翔に背中をバシッと叩かれて
俺のとこに逃げてきた。
翔「なんか、ごめん。最後までこんなんで」
謝った翔を見て、
先生は声を上げて笑っている。
後「いや、会えてよかったです。
可愛い弟さんで羨ましいですよ。」
俺の後ろに隠れた和を見ながら
ニコニコして話す先生。
翔「反抗期で大変だよ？
なんなら連れてっていいよ。笑」
声を上げて笑う翔と先生を見て
和はすっかり拗ねてしまった。
車に乗った後も「翔にぃは、俺があの先生の
弟になってもいいんだ…」って
いじけちゃってさ。
翔がいくら「冗談だろ」って言っても
聞き入れなくて。
しばらくの間、翔はそれをネタに和に
上手く動かされてた。
冗談をつかう相手を間違えた代償だね…笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年3月24日 11時
