547.【甘えたい気持ち】 ページ47
［潤side］
翔「かずー、
ごめんね、苦しいけど
我慢ね〜」
和「…や」
吸引されて苦しそうにゲホゲホ咳き込む和。
風邪を拗らせて、肺炎になりかけてるらしくて
家のベッドでぐったりしている…
今より酷くなったら入院だからと
兄貴たちは一生懸命看病してる。
智「頑張ってかず。あと少しね…」
智にぃに抑えられた手を離させようと
抵抗して泣いている和。
雅「苦しいね…」
頭を抑えている雅にぃの手の上を
涙がどんどん流れていく。
翔「ごめんね〜和。あと1回だけさせてね。
ほら、あーん？そう、上手。」
ちょっと強引に口を開かせてチューブを
進めていく翔にぃ。
その途端に顔を歪めて苦しがる和。
何度見ても慣れないけど、和の為って思えば
「頑張れ」って気持ちが湧いてくる。
「はい、おしま〜い」
和「…にぃ、にぃ…」
泣き過ぎて呼吸が整わないまま
兄貴達に向かって手を伸ばす和。
雅「おいで〜、かず。頑張ってえらかったね」
雅にぃが抱きしめて呼吸を整えてくれる。
和はしがみ付いていって
だんだんとウトウトし始める…
高熱に魘されている和は自分を見失なって
今は甘えんぼさんになってるんだ。笑
コントロールできなくて
すぐ泣くし、すごく素直に甘える。
最初はちょっと戸惑ったけど
上手に向き合う兄貴達を見て
俺も少し慣れてきた。
「冷たいの交換するね〜」
保冷剤を替えてあげたら少し目を開けた和。
和「…じゅん、て…」
「うん、ここだよ〜」
伸ばしてきた手を握って、布団の中で
ギュッと握ったら小さく笑ってまた眠る…
今の和は誰かの温もりを感じていたいらしい。
そうしてると、高熱なのに安心したような
表情になるから不思議だ。
雅「かずー？あーん」
和「あー」
ゼリーか果物しか食べたがらないけど
素直に口を開けてくれるから安心する。
雅「おいしー？」
和「ん。…おいしい」
食べさせてもらえるのも嬉しいのか
いつもみたいに駄々をこねないから
それはそれで兄貴達もやりやすそう…笑
だけど、診察や処置はいつも以上の嫌がり様…
泣いて暴れて「なにするんだー」って声が
今にも聞こえてきそう。笑
翔「そんな泣くなよ。熱計るだけだろ？」
嫌がる和に無理やり体温計を挟んで
抱きしめて抑える翔にぃは苦笑い。
和「…や。翔にぃ、しょ、にぃ」
翔「うん、ここにいるからな〜。
ごめんね、嫌なことして。」
背中をゆっくりさすられて少しずつ
落ち着いてきた…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 559人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2013年3月24日 11時
