538.【4】 ページ38
［智にぃside］
翔が「分かった」って
言ってるのに、
和はなかなか顔を出さない。笑
翔「ちょっと、おいで、和。
腕、直してやるから。」
まだ一度もきちんと見てないのに、
翔はやっぱり気が付いてた。
和「…んーん。いい…」
翔「よくないよ？おいで。何もしないから」
翔が優しく呼んでくれてるのに
和は背中で首を振ってる。
「一緒にいこうか…」
仕方ないから背中にくっつけたまま
翔の前まできた。
翔「はい、いらっしゃい。
で？担当医に報告は？笑」
和「んー、…わないでって言った…のに」
「もう…翔？やめてあげて？笑」
翔「はは。…はーい。」
せっかく和を翔の近くまで連れていったのに
翔がからかうから益々、拗ねちゃったよ…
「ほら、もう言わないって。
腕、見てもらおうね。座って？」
翔「はい、捕まえた〜！笑」
和「あ、やだ！…やだ！」
俺が翔の方に背中をグッと近付けたから
和は捕まっちゃった。笑
ソファーに座った翔に腰を掴まれて
「助けて」って顔してこっち見てる。
翔「智にぃじゃなくてもいいじゃん、和。
優しくしてやるから。笑」
和「んー、やだ！！離してよー」
翔「やだよ〜。ほら、大人しく座って？」
和「んー、やだ…離して！！」
翔「いいの〜、大人しくして〜。笑」
和「やなの！ん〜…ふふ。やめ…ふふ」
和は翔にくすぐられてラグの上に
ペタンと座り込んだ。
「ふふ。もう大丈夫そうだね。」
和はくすぐられながらも、体をしっかり
翔に預けてる。
ずっとそうやって甘えたかったくせに
強がっちゃってさ。
その後は、大人しく腕も見てもらって
寝る前には投薬もしてもらった。
「気持ち悪くなるから、やだー」って
言いながらも、翔に宥められて
素直に寝転んでくれた。
スースー寝息を立て始めた和を見て
翔は「可愛いね」って呟く。
「うん、可愛いよね。
和も潤も小さい頃から、ずっと変わらない。
可愛いまんま。ね？」
翔「うん、ほんとそう。笑」
あまりにも翔が愛おしそうに和を撫でるから
思わず笑ってしまったくらい。
でも大事だから、守りたいからこそ
どうしても厳しくなってしまうんだよね。
和だって翔のこと、あんなに恐れてたくせに
叱られるようなこと繰り返すんだから。
もう自業自得…笑
翔「今すぐ出てこないと
引っ張り出すからな？」
和「…」
翔「何で同んなじことすんの？」
和「…」
翔「かーずー？今日は智にぃも
助けてくれないよ？」
翌日の夜、和は結局叱られている…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 559人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2013年3月24日 11時
